「家をなるべく安く建てる方法が知りたい」とマイホームを検討中の方なら1度は考えますよね。
実は、間取りなどの工夫によって、同じ床面積でも費用を抑えた家づくりをすることは可能です。
そこで今回は、建築実例を交えながら家を安く建てる方法やアイデアをご紹介します。
コストカットすべきではない箇所や費用を抑えるためのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
● 構造や性能は、マイホームの安全性や住み心地に大きく影響するため、コストカットしないことが望ましいです。
● 住宅ローン・土地選びによる費用削減や規格住宅を建てるなど、様々な方法で家づくりの費用を抑えることができるため、ご自身に合った方法を選びましょう。
Contents
「家を安く建てる11の方法」を間取り実例でご紹介
間取り実例をもとに、家を安く建てるための方法やアイデアをご紹介します。
①総二階の建物にする
一階と二階の床面積がほとんど同じ総二階の家にすることで、費用を削減できるケースは多いです。
各階の面積に差をつけないことで、無駄な材料が出にくく、施工性も高くなって短工期で仕上げることができます。
総二階のデメリットとして特徴のない外観に仕上がりやすい点が挙げられますが、上の事例のように窓の配置や外壁の種類などにこだわることで、デザイン性を高めることも可能です。
詳しくはこちらのコラムをチェックしてみてくださいね。
▷関連コラム:「総二階」のかっこいい外観実例とメリット・デメリット|おしゃれにするコツも
②凹凸のない建物形状にする
凹凸のない建物形状にすることも、家を安く建てるための方法です。
総二階のときと同様に、シンプルな形状に仕上げることで、建築の無駄を省くことができます。
同じ床面積でも、凹凸が多い建物と比べて外壁量が少なくなるケースも多く、建材費を削減しやすいです。
③シンプルな屋根形状にする
片流れ屋根や切妻屋根などの、シンプルな屋根形状にすることもコストカットにつながります。
シンプルな屋根形状は材料費の削減につながり、施工もしやすくなって短工期で仕上げることができます。
複雑な屋根は費用がかかりやすいだけでなく、雨漏りリスクが高まるケースもあるため注意が必要です。
▷関連コラム:片流れ屋根のメリット・デメリットは?施工事例からみる外観デザインのポイントについても
④屋根を緩勾配にする
費用にこだわるなら、屋根は緩やかな勾配にすることをおすすめします。
緩勾配にすることで、外壁材の面積を減らすことができてコストカットにつながるからです。
傾斜が緩やかな片流れ屋根は、キューブ型のような外観に見せることもできるため、モダンな家を建てたい方はデザイン面でもメリットがあります。
▷関連コラム:キューブ型の家とは?四角い住宅の特徴や魅力をご紹介
⑤水回りを1ヵ所にまとめる
水回りを1ヵ所にまとめることで、配管工事の費用を抑えることができます。
家の各所に水回りが散らばっていると、配管が長くなってしまうため費用がかかり、排水トラブルにもつながりやすいです。
道路から近い位置に水回りがまとまっている間取りは、最短距離でスムーズに排水できるため、費用面・メンテナンス面の両方にメリットがあります。
⑥無駄な廊下をなくす
無駄な廊下をなくすことで、床面積の削減につながって、家を安くすることができます。
家をコンパクトにすることは建築費用に直結しやすいため、無駄な空間はなるべく削減しましょう。
上の事例は洗面所とクローゼット間の廊下をなくし、ドアで仕切った事例です。
廊下のスペースを削減することで動線も短くなり、暮らしやすさも向上しました。
⑦1つの空間を複数の用途で使う
1つの空間を複数の用途で使えるようにする方法もおすすめです。
空間を有効活用することで、建物をコンパクトにできるケースもあります。
上の事例は、LDKの一角にスタディスペースをつくった事例です。
カウンターの両サイドには可動棚をつけ、床面積は変えずに収納量を充実させました。
こちらは、階段の途中に家族全員が使えるライブラリースペースをつくった事例です。
階段が吹き抜けになっているため、天井の高さを活かして壁際に本棚をつくりました。
寝るときに本を持って行き、朝起きるときに戻すという動線も考えられた、使い勝手の良いファミリーライブラリーです。
⑧ドアや扉の必要性を考える
不要なドアや扉をつくらないことも、家を安く建てるための方法です。
扉は1枚当たり数万円の費用がかかっているため、1ヵ所ずつ必要性を検討することをおすすめします。
クローゼットや収納の扉、パントリーや洗面所のドアなどが必要なのか、生活を具体的にイメージしながら考えましょう。
ドアや扉ではなくロールスクリーンで目隠しする方法もあるため検討してみてくださいね。
⑨段差をつくらない
スキップフロアやダウンフロアなどの段差をつくらない間取りも、費用を抑えるための方法としておすすめします。
段差のある間取りは材料費が高くなるのはもちろん、職人さんの施工費もかかりやすいです。
段差のない間取りなら材料の無駄なども出にくく、追加の費用もかかりません。
バリアフリーの家は、お子さまやご高齢の方も暮らしやすかったり、掃除がしやすかったりとメリットも多いです。
⑩シンプルな内装でコーディネートする
内装はシンプルに仕上げることで、費用を抑えた家づくりができます。
家を安く建てたいなら、アクセントウォールなどの箇所は限定させ、全体は白などのベーシックカラーで統一しましょう。
注文住宅の内装はこだわりたいと考える方も多いですが、シンプルにまとめた方がインテリアに色や柄を取り入れやすいケースもあります。
シンプルな色味で内装をまとめ、気軽に交換しやすいカーテンやラグなどのインテリアを、気分や流行に合わせてコーディネートする方法もおすすめです。
▷関連コラム:シンプルな家の外観や内装の特徴とは?メリット・デメリットも解説
⑪デッドスペースに収納をつくる
デッドスペースを活かすことで、床面積を増やさずに収納量を増やすことができます。
上の事例は壁の厚みを活かしてニッチをつくった事例です。
こちらは、ランドリールームの空間全体を使って、収納を確保した事例です。
カウンターの上にはパイプをつけ、洗濯機置き場の上にも棚を施工することで、デッドスペースになりがちな上部の空間にも収納量を確保しました。
空間全体を活かして設計した、洗濯を洗う・干す・畳むを効率的にできる空間です。
▷関連コラム:収納計画とは?スッキリした家にするための9つのポイント
コストカットをおすすめしない箇所
家づくりをする際に、コストカットすべきではない箇所を解説します。
構造・工法
建物の基本となる構造・工法に対する変更はおすすめしません。
構造材の変更によって強度が落ちるなどのリスクがあり、住宅会社が本来の耐震性や耐久性を確保できない可能性があるからです。
そもそも構造・工法に関してはグレードダウンに対応していない会社も多いと思いますので、その他の部分でのコストカットを検討しましょう。
住宅性能
住宅性能も基本的にはグレードを下げないことが望ましいです。
断熱材やサッシのグレード変更は断熱性の低下につながり、快適さが損なわれるだけでなく、ランニングコストが高くなる可能性もあります。
断熱性・気密性・防音性・防犯性など、暮らしやすさに大きく関わる住宅性能を下げることで、住まいの満足度が低くなるかもしれませんので注意しましょう。
標準仕様からのグレードダウン
標準仕様からのグレードダウンも、あまりメリットがありません。
なぜなら、グレードを下げると標準ではない仕様になるため、元々の価格からの下げ幅が少ないケースもほとんどだからです。
会社によってはグレードダウンしても価格差はないと言われることもあります。
不要な機能などはなくしても良いですが、価格を下げるために仕様のグレードダウンをする場合は、事前に費用の差額を確認しましょう。
耐久性が落ちる材料への変更
耐久性が落ちる材料への変更は、長く住むことを考えると損になる可能性があります。
なぜなら、高耐久な材料よりも早く劣化や消耗が進むため、メンテナンスの頻度が多くなるからです。
特に外壁材や屋根材は、種類やグレードによって再塗装までの期間に大きな差が付きます。
目先の金額だけでなく、長い目で見たときにお得になるような家にすることも意識してみてくださいね。
間取りの工夫以外の費用を抑えるためのポイント
建物の工夫以外で費用を抑える方法をご紹介します。
低金利の住宅ローンを選ぶ
低金利な住宅ローンを選んで返済額を抑える方法です。
住宅は元金が大きいため、少しの金利の違いでも返済額は大きく変わります。
【4,000万円・35年借入・元利均等方式の場合】
- 金利0.5%:約10.4万円/月
- 金利1.0%:約11.3万円/月
月々の支払いは約1万円の差ですが、35年間に換算すると380万円もの差が生まれます。
低金利の住宅ローンを選び、お得にマイホームを建てましょう。
土地の予算を下げる
土地の予算を下げることで、家づくりの費用を抑えることが可能です。
安く土地を買うためには、次のような方法があります。
- コンパクトな敷地にする
- エリアを変える
- 道路付けを変える(南道路→北道路の土地へ変更)
同じ分譲地内でも、南道路と北道路では数十万円の金額差がつくケースも少なくありません。
また、エリアや面積を変えることで、数百万円のコストカットにつながる事例もあります。
どうしてもコストカットしたい場合は、土地に関する条件を見直して、妥協できる要望を検討してみてくださいね。
住宅会社を変更する
住宅会社によって、建物の価格は大きく異なります。
同じ面積の建物を建てても、数百万円の金額差がつく事例も少なくありません。
高価格帯の住宅会社には、性能・デザイン性・ネームバリューなど何らかの付加価値が付いていますが、お客様にとっては望んでいない内容のこともあります。
ご自身にとって納得のできる内容・価格の家づくりをしてくれるような、信頼できる住宅会社を見極めることが大切です。
規格住宅を選ぶことも家を安くするための方法
(施工事例:山梨県笛吹市石和町 ZERO-CUBE+BOX)
注文住宅ではなく規格住宅を選ぶことも、家を安くするための方法として挙げられます。
規格住宅と聞くと、自由度やデザイン性が低くなるなどのマイナスイメージを持たれている方もいますよね。
しかし、中には間取りや仕様をカスタムできて、デザイン性にもこだわった規格住宅の商品もあります。
入沢工務店では「ZERO-CUBE(ゼロキューブ)」という規格住宅を扱っています。
(施工事例:山梨県笛吹市A様邸 ZRRO-CUBE+BOX+GARAGE)
「ZERO-CUBE」は洗練されたシンプルな外観や間取りをベースに、自分好みのこだわりを取り入れることが可能です。
部屋の追加やガレージ・屋上などの間取りもつくることができ、内装デザインも理想のテイストにカスタムすることができます。
こちらのコラムで間取り実例をたっぷりご紹介していますので、価格にもこだわってマイホームを建てたいという方はぜひご覧ください。
▷関連コラム:ゼロキューブのおしゃれな内装実例|+BOX・フリークス・マリブなど商品別に紹介
まとめ
家を安く建てるためには、住宅のサイズや間取り、デザイン性など様々なポイントにこだわることが大切です。
しかし、構造や性能などグレードダウンすべきでない箇所もあるため、メリハリをつけた家づくりをしましょう。
住宅会社選びにこだわったり、規格住宅を選んだりする方法も、家づくりの予算を抑えるための方法です。
ご自身に合った方法を取り入れ、建物の内容も価格も満足の行くマイホームを建ててくださいね。
私たち“入沢工務店”は、お客様の暮らしに寄り添った住まいづくりをしております。
注文住宅と規格住宅のどちらも対応ができますので、お客様の家づくりに対する考え方や想いを伺った上で、理想のマイホームを一緒に考えていきましょう。
これまで培った経験や知識をもとに、デザインや間取りはもちろん、快適性やコストについてもお客様のご要望を叶えられる住まいをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。