中庭のあるマイホームに憧れる方も多いでしょう。
実際に、新築戸建住宅へ中庭を取り入れるケースは増えています。
しかし、中庭のある間取りにはメリットだけではなくデメリットや注意点もある点は否めません。
そこで、今回は「中庭」のメリット・デメリットと間取りのコツを解説します。
山梨で1974年創業以来、たくさんの戸建住宅を手掛けてきた「入沢工務店」の施工事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
● 中庭には、快適性・デザイン性においてメリットがある反面、事前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。
● 中庭のある家を後悔しないためには、周辺環境や気候、その他間取りのポイントを押さえたプランニングが重要です。
● 入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、高性能でスタイリッシュな注文住宅や建築家とのコラボ住宅を数多く手がけています。
Contents
中庭のある戸建住宅「7つ」のメリット
「中庭」とは、前庭や後ろ庭のように、家と分離して配置される庭とは異なり、間取りに組み込まれるようにレイアウトされた庭を指します。
中庭の3面を部屋に囲まれた「コの字型」と、4面を部屋に囲まれた「ロの字型」が一般的です。
中庭を間取りに取り入れるメリットは、7点あります。
プライベートな屋外空間になる
中庭は、3面もしくは4面が壁に囲まれる外部からの視線が気にならないプライベートな屋外空間です。
そのため、住宅密集地や前面道路が近い場所で外庭をレイアウトしづらい場合に採用されます。
週末に庭でバーベキューを楽しみたい方や、夜風に吹かれながら外で晩酌を楽しみたい方などは、中庭を間取りへ取り入れてみましょう。
室内へ開放感をプラスできる
中庭を作ると、外へ出るための大きな窓や、明かり取り用の窓を設置できる壁面積が増えます。
窓が増えると、室内がより開放的になりますよね。
コンパクトな住宅でも圧迫感を軽減できる点こそ、中庭を採用する事例が増えている理由と言えるでしょう。
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安全な遊び場になる
周囲を壁で囲われた中庭は、お子さんやペットが安全に外で遊べる場所としても活用できます。
外部の人から遊んでいる様子が見えないだけではなく、ボール遊びなどをして道路へ飛び出してしまう心配もありません。
お子さんやペットが中庭にいる様子を見ながら家事ができる点も魅力です。
日差しや自然の風を家の奥まで取り込める
ワンフロアの床面積が広くなればなるほど、家の奥が暗くなりがちですが、中庭があれば、家の中央部まで日差しや自然の風を取り込めます。
最近は道路に面した壁へ窓をあまりつけない事例が増えていますが、その場合も、中庭があると十分な採光と通風を確保できるのです。
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家族間で適度な距離を保てる
中庭を挟んで部屋をレイアウトすると、家族間で適度な距離感が保てる上に、音も気にならなくなります。
自由に行き来できながらも、家族の気配をあまり感じずに一人の時間を楽しめる点がポイントです。
そのため、二世帯住宅へ取り入れられるケースも多く、中庭を緩衝地帯とした二世帯住宅の事例も珍しくありません。
防犯性が高い
庭に面した大きな窓は侵入のリスクが高いですが、中庭にするとそのリスクを抑えられます。
警察庁の調べによると、侵入窃盗の発生場所は「33.0%」が一戸建住宅で、そのうちの「30.7%」が窓ガラスを破って侵入したケースです。(参考:警察庁|住まいる防犯110番)
防犯合わせガラスで破られなかったとしても、割られれば取り替えなくてはいけません。
人の侵入しやすい大きな窓が中庭に面していると、犯罪のターゲットになりにくく、防犯面で抑止効果が期待できます。
特に、室内からしかアクセスできない「ロの字型」の中庭は、外部からの侵入をほぼ100%防げると言っても過言ではないでしょう。
アウトドアリビングとして活用しやすい
せっかく費用をかけて中庭を作るのですから、しっかりフル活用したいですよね。
庭が部屋に囲まれている中庭は、外庭よりも生活に溶け込んだアウトドア空間となります。
日々の生活で視界に入りやすく室内からアクセスしやすいため、日常的にアウトドアリビングとして活用できます。
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中庭のある戸建住宅のデメリット・注意点
中庭には暮らしを快適で豊かにできるメリットがある反面、マイホームへ取り入れる際に知っておいた方が良いデメリットや注意点もあります。
居住スペースが減る
中庭を作るということは、その分居住面積が狭くなる可能性があるということです。
そのため、中庭ありきでプランを構成するのではなく、必要な部屋と面積が確保できるか確認した上で、プランへ取り込みましょう。
また、中庭が「あるプラン・ないプラン」を比較検討することも重要です。
新築費用が高くなる
中庭を作ると、家の形状が複雑になり、プランによっては大きな窓を設置する箇所が増えます。
さらに、中庭へウッドデッキを作ったりタイル仕上げにすれば、その分コストがプラスされるでしょう。
そのため、予算オーバーを避けるためにも、中庭が「あるプラン・ないプラン」を比較することをおすすめします。
「アウトドア空間を間取りへ取り込みたいが、コストを抑えたい」という方は、庭の2面が部屋で囲われている「L字型プラン」もぜひ検討してみてください。
【参考事例】
山梨県笛吹市石和町モデルハウス
山梨県甲府市新築注文住宅|ゼロキューブプラスボックス
メンテナンス費用がかかる
中庭へウッドデッキを設置したり、タイル仕上げにすれば、その部分のメンテナンス費用がかかります。
そのため、事前に「いつ、どのくらいのメンテナンス費用がかかるのか」を把握しておきましょう。
中庭の仕上げ | 耐用年数 | メンテナンス |
---|---|---|
ウッドデッキ (人工木材) | 20〜30年 | ・全体的な交換:3〜5万円/㎡ |
ウッドデッキ (天然木材・ソフトウッド) | 2〜5年 (10〜15年) | ・再塗装:5,000〜8,000円/㎡ (全体的な交換:1〜1.5万円/㎡) |
ウッドデッキ (天然木材・ハードウッド) | 15〜30年 | ・全体的な交換:3〜5万円/㎡ |
タイル | 10年 | ・目地の打ち替えや補修:3,000〜5,000円/㎡ |
中庭を土のままにするケースもありますが、その場合は泥ハネしないように砂利を敷いたり、雑草抜きの手間を減らすために防草シートを施工するのがおすすめです。
生活動線が長くなる
中庭が家の中央にあると、生活動線が長くなる可能性があります。
日常的によく出入りする場所が中庭の向こう側にあると、大回りしてアクセスしなくてはいけなくなるからです。
そのため、中庭を配置する際は、周りの空間レイアウトに十分注意しましょう。
中庭のデメリットを解消するためには、間取りのコツを押さえた設計のできる実績豊富な建築会社がおすすめです。
中庭のある間取りを後悔しないためのコツ
中庭のある戸建住宅を後悔しないために、ポイントを押さえて間取りを検討しましょう。
ここでは、特に知っておいていただきたいポイントを紹介します。
どのように使うかイメージする
ブログやSNSを見ると、「中庭をあまり使わず、作ったことを後悔している」という口コミを目にします。
モデルルームなどで中庭のある家を見て素敵と思ったら、まずはご家族で中庭をどのように活用したいのかイメージしてみましょう。
室内外からのアクセス方法や活用方法、中庭を作る目的によって、コの字型・ロの字型、もしくはL字型と、どの間取りが良いかが異なります。
中庭の排水処理は重要
周囲を壁で囲まれる「ロの字型」の中庭にする場合、雨水の排水処理がとても重要です。
排水処理が不十分だと、雨水が中庭に溜まり、ウッドデッキを腐食させたり、家の外壁や構造体を痛めてしまったりするからです。
「コの字型」の場合も、雨水が必ず家とは反対方向へスムーズに流れていくようにしなくてはいけません。
そのため、中庭のある家を建てる場合は、設計施工実績の豊富な建築会社がおすすめです。
動線を十分シミュレーションする
中庭のある家は生活動線が長くなりがちですが、それが不便でなければ全く問題ありません。
そのため、初期段階からプランを見て動線をシミュレーションしましょう。
ご家族一人一人が起きて寝るまでどのような行動を取るの図面を見ながら確認すると、中庭があることで不便に感じる部分を見つけられるはずです。
事前にメンテナンス費用と期間を把握しておく
中庭の仕上げによって、メンテナンスの間隔や費用は異なります。
ウッドデッキにする場合、初期費用が高い人工木材やハードウッドほど耐用年数が長いため、新築時のコストとメンテナンスコストの両方を踏まえて仕様を選びましょう。
中庭を土のままにして木や芝生を植える場合、高額なメンテナンス費用がかからない代わりに、雑草処理や防虫処理、草刈り、落ち葉掃除などの手間が必要になるため、その点も忘れずに検討してください。
住宅全体の断熱性を高める
中庭を作ると、部屋に接する外壁面積と窓が増えます。
何も対策をとらないと、外気温の影響を受けやすくなり、暑さ・寒さが気になる恐れがあるのです。
また、空調効率が下がる点にも注意してください。
そのため、中庭を作る場合は、家・窓の断熱性を高めておきましょう。
窓の位置とサイズをチェックする
中庭は採光・通風をより取り込める点がメリットですが、窓の位置やサイズによってはその効果を得られない可能性があります。
例えば、2階建て・ロの字型で中庭に面して大きな窓を設けても、向きによっては窓が建物自体の影に入って日差しが室内へ差し込まないケースもあります。
また、風通しをよくするためには、中庭面だけではなく、反対の壁面にも空気の出口となる窓を作らなくてはいけません。
このように、ただ中庭に面して窓を作るだけでは、採光・通風の効果を得られるとは限らないのです。
そのため、設計施工は実績の豊富な建築会社へ相談しましょう。
アウトドア用品の収納場所も決めておく
中庭でガーデニングやバーベキューを楽しみたい方は、道具の収納場所も確保しておきましょう。
中庭はリビングに面しているケースが多いため、道具を出しっぱなしにすると、どうしても雑然とした印象になりがちです。
屋外で使うものは屋外でしまうのが基本ですので、物置を置くか、中庭へ収納も兼ねた造作ベンチなどを設置するのもおすすめです。
周囲(2階以上)からの視線をチェックする
中庭は外部からの視線が気にならないプライベートな屋外空間です。
ただし、チェックを忘れてはいけないのが「上からの視線」です。
住宅密集地に中庭のある家を建てる場合は、隣家の2階以上から見下ろせる場所でないか確認することが重要です。
中庭のある家の施工事例|平屋・2階建て・コの字・ロの字
入沢工務店は、山梨県で中庭のある家を何棟も手がけてきた実績があります。
その中から一部を抜粋し、間取りのポイントと併せて紹介します。
【平屋建て・コの字型】
こちらは、玄関ポーチ・リビング・キッチン・洗面に囲まれた中庭のある平屋建て住宅です。
室内床と中庭のウッドデッキの高さを揃え、アウトドアリビングとして使えるようにしました。
玄関ポーチとの間は腰壁にしたので、中庭から「おかえり」と帰宅したご家族へ声をかけられます。
上階の荷重がかからない平屋建てだからこその大開口サッシによって、中庭と室内のつながりが強く、とても開放的ですよね。
大きな窓から差し込む光によって、暗くなりがちな洗面スペースも光に包まれます。
【平屋建て・コの字型】
こちらは、中庭をコの字型に囲み、さらにウッドフェンスを取り付けて完全プライベートな屋外空間をプラスした事例です。
周りから遮断されたプライベートな空間で、落ち着いた時間を満喫できます。
中庭側に深く伸びている庇と室内の下がり天井、タイルテラスと室内床の素材を揃えて、視覚的な空間の広がりや一体感を強調しました。
玄関脇には特注のダイナミックな窓を取り付け、圧迫感を解消した点もポイントです。
【2階建て・ロの字型】
こちらは2階建ての住宅へ中庭を作った事例です。
外から見ると小さな窓しかない閉鎖的な家に見えますが、中に入ると太陽の光に包まれた中庭が目の前に広がります。
リビングとの間の窓は、全開にできる折れ戸タイプのサッシを採用しました。
4面が部屋に囲まれており、2階にも中庭側に窓をつけたので、中庭がまさに家族が集う家の“中心”といえるスペースに。
外からの視線を完全にシャットアウトしているため、外でホームパーティを楽しんでもご近所へ音の迷惑をかけることがありませんし、洗濯物を干しても安心です。
中庭に関する気になるFAQ
最後に、中庭のある家を検討中の方からよくいただく質問を紹介します。
中庭を作るかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
Q.「ウッドデッキとタイルテラスどちらがいい?」
A.「どちらも中庭におすすめですが、特徴が違うため、理想に合う方を選びましょう。」
ウッドデッキは木の質感や温もり、ナチュラル感が魅力で、素足で歩くと適度な硬さが心地よい点もメリットです。
ただし、定期的な塗装メンテナンスや全体的なやりかえをする必要があります。
一方、タイルテラスは大理石調・テラコッタ調など、色柄のレパートリーが多く、割れない限りは目地のやりかえだけで済む点がメリットです。
また、デッキブラシなどで強く掃除してもダメージがありません。
ただし、素足で歩くと冷たく感じてしまいますし、お子さんが遊ぶ場所として利用する場合は、転んだ時の怪我や遊具でタイルが割れる点が懸念されます。
Q.「中庭部分にも税金はかかるの?」
A.「基本的に税金はかかりません。ただし、プランによっては課税対象になるため注意しましょう。」
中庭は屋外なので、家屋の固定資産税額を算出する際の面積には含まれません。
ただし、大部分へ屋根をかけると建築面積へ含まれ、固定資産税が高くなる可能性もあります。
判断基準は自治体によって異なりますので、住み始めてからの税額が気になる方は、役所等へ事前に確認しましょう。
地元密着の工務店へ相談するのもおすすめです。
Q.「中庭に大雨や大雪が降っても大丈夫?」
A.「大雨・大雪が降る地域では、排水処理だけではなく間取りや家形状の工夫も必要です。」
大雨や大雪が降る地域は、雨水を外へ流すための排水処理に加えて、以下の工夫が必要です。
- 雪が多く積もる地域では「ロの字型」ではなく、雪かきできる「コの字型」にする。
- 「コの字型」の場合は、中庭へ雨や雪が吹き込まないように、開放している面も目隠しフェンスなどで囲う。
- 中庭へ屋根に積もった雪が落ちないようにするために「雪止め金具」を設置する。
- 中庭のテラスへ融雪用配管を引く。
- 中庭やその周辺には、排水溝詰まりの原因となる落葉樹を植えない。
入沢工務店は、1974年創業以来“地元密着”をコンセプトに、セミカスタマイズできる規格住宅から完全フルオーダーの注文住宅まで、数多く手がけてきた実績があります。
「リーズナブルかつ高品質な家を建てたい」「地域に溶け込む家にしたい」「ずっと変わらず住まいへのサポートを受けたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
中庭のある家を後悔しないためには、メリットだけではなく、デメリットや注意点も知っておくことが肝心です。
また、周辺環境や気候への配慮も欠かせません。
私たち入沢工務店は、“地元密着”をコンセプトに、山梨県甲府市周辺でリーズナブルな価格で高性能かつスタイリッシュな注文住宅を数多く手掛けてきました。
中庭のある家の設計施工実績も豊富です。
私たちの強みは、お客様を一生お付き合いを続ける家族だと思い、その家族が心から幸せになる家づくりを理念としている点です。
セミカスタマイズできる規格住宅から、完全自由設計の注文住宅、建築家とのコラボ住宅を多数手がけていますので、山梨県で家づくりを始めたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
山梨・甲府エリアで「後悔のない家づくり」を実現させたい方は入沢工務店へご相談を
私たち“入沢工務店”の施工エリアは、「甲府市・山梨市・韮崎市・南アルプス市・甲斐市・笛吹市・甲州市・中央市・昭和町」です。
地元密着で家づくりと向き合ってきた私たちだからこそ、地域特性を踏まえた住まいをお手伝いできます。
「住む人とつくる人、そのお互いの顔が見える家づくりの大切さ」
この理念を常に意識して、お客様一人一人に寄り添いながら少数精鋭のプロ集団で家づくりに取り組んでいますので、年間に携われる棟数は決して多くはありません。
しかし、地元の方に満足していただける工務店であり続けられるよう、お客様の声に常に耳を傾けています。
「豊かなデザイン力」
「長年培った確かな技術」
「常にトレンドを取り入れる探究心」
「お客様に寄り添った提案力」
これこそ私たちの強みです。
「地域に根づく家を建てたい」「快適なマイホームにしたい」とお考えの方は、是非一度私たちにご相談ください。