「テレワークの時間が長くなったので自宅に専用スペースが欲しい」「ワークスペースが欲しいが、どのくらいの広さを確保すればいいか分からない」という方も多いでしょう。
自宅にワークスペースを作る場合、単純にデスクとチェアを置けばいいという訳ではありません。
そこで、今回は自宅にワークスペースを作る際のポイントを詳しく解説します。
広さやレイアウト、設備と、いくつかの視点からコツを紹介しますので、ご自宅の新築やリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
● リモートワークを導入する企業が増え、ご自宅にワークスペースを作りたい方が増えています。
● ご自宅にワークスペースを作る場合は、生活ルーティーンを振り返り、広さ・レイアウト・設備をじっくり検討することが重要です。
● 入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、高性能でスタイリッシュな住宅を数多く手がけています。
Contents
リモートワーク・テレワークの普及で必要となったワークスペース|メリット・デメリット
コロナ禍をきっかけに欧米から後れを取って日本国内で広まったテレワークやリモートワーク。
2023年に行われたアンケート調査によると、アフターコロナにおいても、全体の約25%は「在宅勤務している」もしくは「していないが会社で制度を設けている」という結果が出ました。
ところが一方、自宅で仕事をしたいが、それに適した環境が確保できない、家族が生活している中で仕事をすると集中できないという方は少なくありません。
そのため、近年マイホームの新築やリノベーションを検討する方で、ワークスペースを作りたいという方がたくさんいます。
「ワークスペース」とは、仕事やその他の作業をする場所で、一般的には書斎のような個室ではなく、オープンなスペースを指します。
自宅にワークスペースを作るメリットは、主に4点です。
- 仕事の資料や道具を整理しやすい
- オンオフの切り替えがしやすく、仕事に集中できる
- オンライン会議の際にも家族の動向が気になりにくい
- 作業途中でもそのままにできる
一方、ワークスペースを作ることでデメリットもあります。
- ワークスペースによって他の空間が狭くなる
- 目に留まりやすい場所に配置すると、常に仕事のことを考えてしまう
- 作業中でもそのままにしておけるため、雑然としやすい
- インテリアデザインを損ねてしまう可能性もある
ワークスペースを作る際は、その空間単体で検討するのではなく、間取りのレイアウトや設備など、トータル的に住まいをイメージすることが重要です。
ワークスペースの間取りアイデア
ワークスペースを配置する場所に決まりはありません。
ただし、生活様式や家族構成によって適したレイアウトは異なります。
では、ワークスペースを作るのにおすすめの間取りアイデアを紹介します。
リビング
最近多いのが、リビングの一部にワークスペースを設ける間取りです。
お子さんのリビング学習スペースも兼ねてカウンターデスクを作る事例が増えています。
日中ご家族が家にいない場合には、明るい日差しの中で仕事ができるのでおすすめです。
アウトドアリビングも作れば、ちょっとした休憩に外で日光浴も楽しめます。
一方、どなたかが一日中在宅している場合は、リビングという家の中心的場所で仕事をしていると、人の出入りが気になって集中できないかもしれません。
ホール
階段ホールや廊下の広くなった部分などをワークスペースとする事例も少なくありません。
ただの通り道にせず、少し広い空間にして、そこで仕事ができるようにします。
人の動線があまり混線しない場所を選ぶのがポイントです。
また、全館空調システムや高気密高断熱仕様によって、空調機器が近くになくても快適な室温に保てる工夫も欠かせません。
スキップフロア
「個室にするほどではないが、仕事とプライベートのスペースを分けたい」という方におすすめなのが、スキップフロアです。
くつろぐ場所や食事する場所と続いている空間であっても、床レベルを変えるだけで明確にゾーニングできます。
周囲との段差部分に収納を設けられるため、資料をたくさん持ち帰る方にもおすすめです。
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ロフト
ご家族が頻繁に家の中で移動する場合や、十分な面積を確保できない場合には、リビング上などに設けたロフトもおすすめです。
気分のオンオフを切り替えやすく、家族の視線も気になりません。
ただし、音が漏れ伝わるため、どの空間に設置するかが重要になります。
また、夏場に暑くならないように、十分な換気設備と空調機器が必要です。
寝室
寝室の一角にワークスペースを設けるのもおすすめです。
なぜなら、日中は寝室をほとんど使わないという方が多いからです。
ただし、ご夫婦同じ寝室にする場合や、夜遅くまで仕事しがちな方は、ご家族に不便をかけてしまうかもしれないので気をつけましょう。
クローゼット・ランドリールーム
なかなか十分なスペースを取れないという方は、クローゼットやランドリールームの一角にワークスペースを作ってみましょう。
クローゼットやランドリールームは人が出入りする時間が限定的で、それ以外は落ち着いて集中するのに適した場所だからです。
ただし、湿気がこもりやすいため、常に機械換気で制御されている24時間換気システムが欠かせません。
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ワークスペースの広さ目安
ワークスペースに必要な広さは、業種や仕事道具によって異なります。
ご自宅でどのような作業をするのかを十分イメージして、ワークスペースに適した広さを決めてください。
作業内容 | 幅 | 奥行き (椅子に座った状態) |
---|---|---|
ノートPCでの作業 | 60〜80cm | 100〜120cm |
デスクトップPCでの作業 | 100〜120cm | 110〜130cm |
ノートPCを見ながらファイルなど資料を広げる作業 | 100〜120cm | 110〜130cm |
大掛かりな作業(スケッチなどの手作業) | 120〜150cm | 130〜150cm |
椅子を引いて立ち上がるスペースと人が後ろを行き交うためのスペースとして、さらに「75cm」程度の奥行きが必要です。
これらの寸法は、あくまでも“最低サイズ”です。
そのため、ゆとりを持って仕事をしたい方や、資料が多い方、複数人で仕事をしたい方は、さらに広いスペースを確保しましょう。
ワークスペースに必要な設備
ワークスペースには、デスクとチェアがあればいいと思っている方は少なくありません。
しかし、集中して仕事のパフォーマンスを高めるためには、それなりの設えが必要です。
仕事内容に合わせて必要な設備を取り入れましょう。
照明器具
労働安全衛生規則(第604条)では、労働環境における照度の基準が定められています。
作業の区分 | 照度の基準 |
---|---|
精密な作業 | 300lx(ルクス)以上 |
普通の作業 | 150lx(ルクス)以上 |
粗な作業 | 70lx(ルクス)以上 |
さらに、近年はパソコン作業が中心であることから、厚生労働省は「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」にて、パソコン作業に適した作業環境の条件を提唱しています。
- 室内はできるだけ明暗の対照を小さくする
- 眩しさを感じさせないようにする
- PCディスプレイと手元の書類やキーボードの照度さを小さくする
- グレア(眩しさ)を軽減する照明器具を用いる
このように、目に負担をかけない作業条件は、必ずしもリラックスする空間の条件と同じとは限りません。
そのため、リビングの一角にワークスペースを設ける場合などは、緻密な照明計画が必要です。
コンセント
プランニングの際に忘れがちなのが、コンセントです。
できるだけタコ足配線をせずに済むように、事前にどんな機器を使うのかイメージしましょう。
離れた場所にあるコンセントから電源を引くと、コードにつまづいたり、インテリアデザインを損ねたりしてしまうかもしれません。
オンライン会議での背景
オンライン会議の際、最近は合成背景を使う人も増えていますが、「違和感が気になる」という方は背景となる壁や仕切り、パーテーションを用意しましょう。
ワークスペースの後ろで家族が行き交うと、足音なども気になります。
壁を作りにくいレイアウトの場合は、一時的におけるパーテーションや、天井から下げられるロールスクリーンもおすすめです。
収納スペース
パソコンだけで仕事ができる方を除き、資料ファイルやプリンターなどが必要な場合は、それらの収納スペースも確保しましょう。
ワークスペースは作業途中でもそのまま置いておける点がメリットですが、企業秘密が記載された資料を置き放しておくのはリスクがあります。
また、一目につきやすい場所では雑然としてあまり見た目の印象が良くありません。
机下ワゴンや造作収納を含めて、ワークスペースをプランニングしましょう。
【おしゃれなワークスペースに】後悔・失敗しないためのポイント|狭い・うるさい・暗い・集中できない
SNSなどでご自宅にワークスペースを作った方の感想を見てみると、残念ながら後悔したと感じている方は少なくありません。
特に、「狭い」「うるさい」「集中できない」という意見が目立ちます。
そこで、ここではこれらの問題を解決する方法を紹介します。
狭いスペースの場合は“多様性”を意識する
「建築面積がコンパクトで、どうしても広いワークスペースを作れない」そんな方も多いでしょう。
その場合は、他の作業スペースと“兼用”にするのがおすすめです。
例えば、お子さんの勉強スペースや家事スペース、趣味を楽しむ場所と一緒にすると、それぞれの作業時間が重ならない限り、あまり支障がありません。
また、寝室と仕事場を分けたいという方も多いですが、夜寝るだけの部屋ではもったいないので、日中は書斎として利用するのも良いでしょう。
大切なのは、ワークスペースを単なる一時的な仕事場せずに、多用的に使えるようにしておくことです。
リビングのワークスペースは“音問題”に注意
リビングの一角にワークスペースを設ける事例はとても多いですが、その際は必ず“音問題”についても考えましょう。
特に、オンライン会議などの打ち合わせが多い方や、ご自宅に来客が多い方は、リビングのワークスペースですと集中して仕事に取り組めないかもしれません。
音が気になる方は、家族が主にくつろぐ場所から出来るだけ離れた場所にワークスペースを配置してください。
また、クローゼットなどの収納空間を間に挟むと、かなり音漏れが軽減されます。
PC作業だけでも手元の明るさは必要
先ほど、労働環境に適した明るさについてお話ししましたが、眼精疲労や視力低下の主な原因はディスプレイが周囲よりも明るい環境と言われています。
「PC作業だけだからデスクライトはいらない」という方もいますが、これではディスプレイから放たれる明るい光で、目が疲れやすくなってしまうかもしれません。
パソコン作業だけでも、必ずデスクライト、もしくはダウンライトやスポットライトなどでワークスペースを明るくできるようにしてください。
目の前に窓があると集中できない
窓のあるワークスペースは、陽の光が差し込み気持ちがいいですよね。
ところが、デスクに座って目の前に窓があると、集中力が散漫になったり、窓からの光でパソコンの画面が逆光となり見えにくくなったりする恐れもあります。
そのため、窓を設ける場合は、出来るだけ視界に入らない場所に設けてください。
背面ですと、適度な光が手元に届くのでおすすめです。
個室でない場合はインテリアを損ねない工夫も
オープンな場所にワークスペースを設ける場合は、片付けやすくしておくことはもちろんですが、周りのインテリアデザインを損ねないように注意してください。
例えば、置き家具ではなく、フローリングや内装ドアと色味を合わせたカウンターデスクを作ったり、デッドスペースのないすっきりとした造作家具を取り入れたりするのがおすすめです。
また、デスクのスペースを大きめにして、インテリアグリーンなどを置けるようにしておくのも良いでしょう。
将来を見越した可変的な間取りがおすすめ
ワークスペースはずっと必要とは限りません。
そのため、将来を見越してリノベーションしやすい作りにしておくのもおすすめです。
例えば撤去すれば通り道にできたり、収納スペースとして活用できたりしておけば、万が一誰も使わなくなってもスペースが無駄になりません。
個室の場合は、将来的に隣の部屋と一部屋にできるよう、簡易的な間仕切りにしておくのも良いでしょう。
まとめ|自宅にワークスペースを作る際は生活ルーティーンをイメージして
ご自宅にワークスペースを作る際には、必ずご家族全員の生活ルーティーンをイメージしましょう。
誰が・いつ・どこで・何をするのかを把握すると、ワークスペースをどこに配置すればいいかが自ずと見えてきます。
また、どのような設備があればいいのかや、どのくらいの広さが必要なのかも分かるでしょう。
建築会社に要望とその家での暮らし方をしっかり伝えることが重要です。
私たち入沢工務店は、“地元密着”をコンセプトに、山梨県甲府市周辺でリーズナブルな価格で高性能かつスタイリッシュな注文住宅を数多く手掛けてきた実績があります。
今まで培った経験や知識をもとに、居心地がいいだけではなく、プラン・コスト共にお客様のご要望を叶えられる住まいをご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
山梨・甲府エリアで快適なマイホームを建てるなら地元密着の入沢工務店へ
入沢工務店は山梨・甲府エリアを中心に「甲府市・山梨市・韮崎市・南アルプス市・甲斐市・笛吹市・甲州市・中央市・昭和町」で注文住宅の設計施工を行っている工務店です。
地元密着で家づくりと向き合ってきた私たちだからこそ、地域特性を踏まえた住まいを実現させられます。
「住む人とつくる人、そのお互いの顔が見える家づくりの大切さ」を常に意識しながら、お客様の理想を叶えるお手伝いをさせていただいております。
お客様一人一人に寄り添いながら少数精鋭のプロ集団で家づくりに取り組んでいますので、年間に携われる棟数は決して多くはありません。
しかし、地元の方に満足していただける工務店であり続けられるよう、お客様の声に常に耳を傾けています。
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これこそ私たちの強みです。
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