シンプルモダンな外観の住宅が人気な中、スタイリッシュでクールな印象の金属サイディングを採用する事例が増えています。
その中でも、コスパに優れた「ガルバリウムサイディング」はもはや定番の仕上げ材。
しかし、その詳細を知らない方も多いかもしれません。
そこで、今回は「ガルバリウムサイディング」のメリット・デメリット、他の金属サイディングとの違いなどについて詳しく解説します。
外観デザインのポイントも紹介しますので、マイホーム計画を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
●ガルバリウムサイディングは、耐用年数やメンテナンスサイクルが長い点がメリットです。
●キズや凹み、サビなどを防ぐためには、定期メンテナンスが欠かせません。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、スタイリッシュで快適な家づくりに励んでいます。
Contents
ガルバリウムとは?鋼板・サイディングどう違う?
ガルバリウムは、1972年にアメリカの会社が開発した「アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板」を指します。
簡単に言うと、基材となる鉄板の表面に、アルミニウムと亜鉛を融合させた合金メッキを施した鋼板。
表面には車の塗装と同様の焼き付け塗装が施されているため、耐食性が高いため、屋根材や壁材、その他外装材に活用されています。
「ガルバリウム鋼板」は素材そのものを指し、「ガルバリウムサイディング」は外壁材専用の材料のことです。
サイディング材においては、裏に断熱材が一体化していて、さらに、遮熱フッ素塗装が施されているなど、多機能な商品もあります。
ガルバリウムサイディングのメリットは?
ガルバリウムサイディングは、多くの住宅において外壁塗装材として採用されています。
その理由は、多方面でのメリットがあるからです。
では、それぞれ詳しく見てみましょう。
品質安定性が高い・工期が短い
ガルバリウムサイディングは、工場にて成形・塗装され、現場ではそれを張り付けるだけの“乾式工法”によって施工されます。
そのため、施工技術や材料の保管状態による品質ムラがありません。
一方、モルタル塗装仕上げは、現場施工が大半で、工程ごとに乾燥(養生)期間が必要な“湿式工法。
そのため、季節によって硬化不良などの不具合が起こる可能性はゼロではありません。
耐久性が高い・耐用年数が長い
ガルバリウムは、アルミ亜鉛合金でメッキ保護されているため、雨風や紫外線に晒される過酷な状況下であっても、そう簡単に腐食しません。
実際に、塩害被害が懸念される海に近い地域でも採用されているほどです。
耐用年数はメーカー・製品によって異なりますが、大半は20〜30年程度に設定されています。
材質の高耐久性だけではなく、その構造にも秘密が。
ガルバリウムサイディングは、板材を少しずつ重ねて連結させるため、パネルの継ぎ目にコーキング目地を打つ必要がありません。
実は、外壁周りからの雨漏り原因は、このコーキング目地が原因であることは少なくありません。
なぜなら、コーキング目地の耐用年数は5〜10年程度で、年数が経つと弾力性を失い、痩せてひび割れ、肌別れするからです。
ガルバリウムサイディングの場合は、換気口周りや窓周りなどにのみ目地が必要になるため、雨漏りのリスクを大幅に抑えられます。
モルタル塗装の耐用年数も10〜15年程度なので、外壁材の中でも長寿命であることは一目瞭然です。
耐候性・防水性が高い
サイディング鋼板の塗膜は、車と同様の焼き付け塗装です。
そのため、深いキズがつかない限り、屋外環境であっても、変質する可能性は高くありません。
一方、窯業系サイディングは表面の塗膜が劣化すると水分を吸収して変形や亀裂・反りが起こるため、モルタル塗装外壁と同様の塗り替えメンテナンスが欠かせません。
建物への荷重負荷が少ない
ガルバリウムサイディングは、窯業系サイディングやモルタル塗装の1/5程度しか荷重がかかりません。
つまり、それだけ建物への負荷が少ないということです。
そのため、地震発生時の被害を最小限に抑えられます。
実際、荷重が少ないため、既存住宅の屋根や外壁の上から重ね貼りするカバー工法も普及しています。
美観を長期間キープできる・メンテナンス性が高い
ガルバリウムサイディング、特にパターンがついておらずシンプルなデザインのものは、表面に凹凸がないため、水捌けがよく苔・藻が発生しません。
また、汚れた場合に簡単に掃除できる点もメリット。
そのため、一般的に塗装メンテナンスのサイクルは20年に一度程度です。
一方、窯業系サイディングやモルタル塗装は、いくらフラットなパターンにしても、表面に細かい凹凸があるため、そこに水分が溜まれば、苔・藻や雨垂れがついてしまいます。
また、表面が劣化すれば撥水性が落ちて、水分を吸収するため、10〜15年に一度の保護塗装が欠かせません。
窯業系サイディングにおいては、サイディング継ぎ目のコーキングを定期的に増し打ち・打ち替えするコストもかかってしまいます。
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ガルバリウムサイディングのデメリット・注意点は?
ガルバニウムサイディングは、耐久性が高くシンプルモダンな外観によく合う材料ですが、欠点がない訳ではありません。
採用する際は、デメリットや注意点についても知っておきましょう。
コストは割高
ガルバリウムサイディングは、同じく外壁材の窯業系サイディングと比べるとキズがつきやすいため施工を慎重に行わなくてはいけません。
また、材料費は外壁材の中でも決して安くないため、総じてコストは割高になりがちです。
ただし、モルタル塗装仕上げよりも一日の施工面積は広く、工程ごとの乾燥期間が必要ないため、外壁面積が広くなればなるほど、コストの差が縮まる可能性があります。
ガルバリウムサイディングは、メンテナンス周期が他の外壁材よりも長いため、ずっと住み続ける住宅においては、コストが高いとも言い切れません。
家の仕様を選ぶ際は、新築時のコストだけではなく、10年後20年後に発生するメンテナンス費用も踏まえることが重要です。
デザインレパートリーは少ない
窯業系サイディングと比べるとデザインやカラーのレパートリーは少なめです。
レンガ調・タイル調・木目調もありますが、金属を押し出してテクスチャーを表現しているため、あくまでも模造品であり、本物と質感や艶は異なります。
ここで忘れてはいけないのが、ガルバリウムサイディングの魅力は“シンプルさ”であるという点です。
この魅力を活かした外観デザインにすることをおすすめします。
シンプルな中にも、横張り用・縦張り用などの選択肢があるため、外観デザインを決める際は、必ず現物サンプルやイメージ図でどのように仕上がるか確認しましょう。
引っ掻きキズがつきやすく凹みやすい
ガルバリウムサイディングは、裏に断熱材が貼ってあるため、多少の衝撃には耐えられますが、尖ったものや硬いものがぶつかれば、簡単に凹んでしまいます。
また、引っ掻きキズにも弱く、基材にまで達するようなキズですと、そこから腐食してしまう可能性も否めません。
そのため、外壁近くに木を植えない、お子さんの遊び場に気を付ける、サイクルポートを設けて外壁近くに駐輪しないなどの工夫が必要です。
小さなキズであれば、メーカーから提供されるタッチアップ材で補修できますが、広範囲かつ深いキズ・凹みであれば、早めに張り替えなくてはいけません。
サイディングは部分張り替えができるため、新築時に余った材料をとっておくことをおすすめします。
メンテナンスが“全く不要”ではない
ここまで、「ガルバリウムは耐用年数が長い」とお話ししましたが、決して“メンテナンスフリー”ではありません。
塗膜の色褪せや部分的なサビを見つけたら、塗装や部分張り替えが必要となります。
なぜなら、ガルバリウム鋼板の基材は鉄板で、メッキが剥がれればすぐに腐食してしまうからです。
ガルバリウムに発生するサビ・劣化は、主に4種類です。
「赤サビ」
表面に傷がつき鉄板が剥き出しになると、その部分が水分に触れて赤サビが発生します。
「白サビ」
主に沿岸部で発生するサビで、白い斑点が現れます。
鉄が錆びる赤カビとは異なり、表面メッキに含まれている亜鉛が酸化する現象です。
「もらいサビ」
赤サビが発生している他の金属がガルバリウムに触れると、そこからサビが移ってしまいます。
「電食」
錆びていない他の金属と長時間接触すると、片方の金属腐食が進み、小さなキズがついている場所から赤サビが発生する恐れがあります。
このように、ガルバリウム鋼板はとてもデリケートな金属であるため、それを保護するための塗装が欠かせません。
塗膜の色褪せは劣化の初期症状なので、見つけたら20年以内でも、塗り替えが必要な可能性があります。
紫外線や雨風を直接受けやすい面は、劣化速度が早いため、こまめな点検が必要です。
また、自転車置き場や玄関の近くなど、気付かぬうちに外壁にキズがつく恐れがある場所は特に気を付けなくてはいけません。
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他の金属系サイディングと違いは?外壁仕上げの価格差はどれくらい?
ガルバリウムサイディングと同じく金属サイディングに属するのが、「アルミニウム合金サイディング」です。
耐用年数が長いと言われるガルバリウムよりもさらに長寿命で、軽量な点が強み。
しかし、その分価格が高くなるため、ご予算に合わせてご検討ください。
価格目安 (2階建て30坪) | メンテナンスサイクル | |
モルタル塗装仕上げ | 120〜200万円 | 10〜15年・耐用年数30〜40年 |
窯業系サイディング | 180〜220万円 | 20年・耐用年数20〜30年 (ただし、継ぎ目目地は10〜15年ごと) |
ガルバリウムサイディング | 150〜280万円 | 20年・耐用年数20〜30年 |
アルミ合金サイディング | 200〜400万円 | 20年・耐用年数40〜50年 |
ガルバリウムサイディングのメンテナンス方法は?
ガルバリウムは、モルタル塗装仕上げや窯業系サイディングの外壁よりもメンテナンス手間がかかりませんが、日々のメンテナンス・定期的なメンテナンスを徹底することで、より長持ちさせられます。
事前にどのようなお手入れが必要か知り、材料選定の参考にしましょう。
日々のメンテナンス
ガルバリウムは、ホコリやチリが定着すると、劣化が早まる可能性があります。
そのため、雨に当たらない場所は最低でも年に1回は水洗いしましょう。
しつこい汚れをみつけたら、柔らかいスポンジで軽く擦ってください。
注意点は、高圧洗浄機を使ってはいけないという点。
表面の塗膜が劣化していると、剥がれて腐食の原因になりますし、部分的に凹んでしまう恐れもあります。
メーカーや製品によって日々のお手入れ方法が異なりますので、材料を選定する際は、取扱説明書の内容まで確認しておくことをおすすめします。
定期的なメンテナンス
ガルバリウムサイディングの塗り替えは、早くて15年周期、遅くとも20年周期で行いましょう。
メンテナンスのサインは、換気口や窓・ドア周りのコーキング劣化、雨の当たらない場所のサビ、塗膜の色褪せ・剥がれ・チョーキングです。
一般的にはシリコン系塗料を用いて、2階建て30坪程度の家ですと、70〜100万円程度かかります。
沿岸部や幹線道路近くで排気ガスを多量に受ける場所は、メンテナンスサイクルが短くなる可能性があるため、周期メンテナンスに惑わされず、専門家の定期点検を受けることをおすすめします。
異素材との組み合わせもおすすめ
シンプルモダンなデザインがお好きな方から人気の高いガルバリウムサイディングですが、最近は、異なる素材と組み合わせて外観デザインを楽しむ事例が増えています。
上記写真のように、雨の当たりにくい場所には木製サイディングを取り入れたり、1階部分・2階部分でモルタル塗装と切り替えたりするデザインが人気です。
異なる素材と張り分けることで、キズや凹みというデメリットを解消することも。
シンプルモダンなテイストはそのままに、オリジナリティをプラスできます。
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まとめ|ガルバリウムサイディングでずっと住み続けられる家に
ガルバリウムサイディングは、外壁材の中でも耐用年数が長く、塗り替えなどのメンテナンス手間が最小限に抑えられます。
一方で、キズや凹みがつきやすく、それを放置すると腐食が進んでしまう恐れも。
そのため、部分的に別の素材と張り分けるなどの工夫が必要です。
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