大切なお金を使ってマイホームを建てるのですから、絶対に後悔したくないですよね。
しかし、実際にどのようなメリット・デメリットがあるのかを知らない方も少なくないでしょう。
そこで、日本において最も棟数の多い“木の家”、いわゆる木造住宅について、メリット・デメリットを住宅建設のプロが詳しく解説します。
ぜひこれから紹介しますポイントを参考に、“ずっと住み続けられる住まい”を建てましょう。
●他構造住宅と比べて“劣っている”と誤解されている点があります。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、スタイリッシュで快適な家づくりに励んでいます。
Contents
木造住宅のメリットは?
日本において、古くから木造建築が住宅の主流であり、2018年に総務省が行った調査によると、総住宅戸数2,293,600棟(共同住宅含む)のうち、670,200棟が木造というデータも出ています。(参考:総務省統計局|平成30年住宅・土地統計調査)
日本最古の木造建築である法隆寺が建てられてから約1,400年もの間、様々な建築構造が生まれてきましたが、未だ住宅においては圧倒的に多い割合です。
では、なぜ未だにこれほどまでに木造住宅が多いのでしょうか?
それには、7つのメリットが関係します。
では、それぞれ詳しく見てみましょう。
その01「断熱性が高い」
木材は、様々な建築材料の中でも特に断熱性に優れています。
なぜなら、熱伝導率(熱の通しやすさ)が段違いに低いからです。
(材質) | (熱伝導率・〈W/(m•K)〉) |
鋼 | 55 |
アルミニウム | 210 |
コンクリート | 1.6 |
石膏ボード (プラスターボード) | 0.60 |
ガラス | 1.0 |
天然木材 | 0.12 |
木質系合板 | 0.16 |
木材は熱を通しにくいため、外気の暑さ・寒さを室内が伝わるのを妨げてくれます。
そのため、壁はもちろん、床に取り入れれば、地表からの冷気もシャットダウンできるのです。
断熱性が高くなれば、室内の温度環境が良好に保たれる上に、冷暖房効率が上がり、光熱費削減につながります。
室内外の温度差を軽減することで、健康的な暮らしや省エネ、結露防止による住宅の長寿命化など多くのメリットをもたらします。
昔の木造住宅は“寒い”というイメージを持たれがちでしたが、これは“気密性の低さ”によるものです。
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その02「建築コストが抑えられる」
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅と比べて、建築コストがかなり安く抑えられます。
なぜなら、工事中に大型の重機が必要なく、養生期間(コンクリートなどの乾燥期間)が必要ないためです。
また、寺社仏閣のような建築物でなければ、柱・梁などの主要構造部は工場にてプレカットされてくるため、細かな現場加工がかなり少なくなったことも一因と言えます。
実際に、国税庁が公表しているデータによると、地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)の平均単価は以下のようにされています。
(構造種別) | (全国平均工事費用単価 単位:千円) |
木造 | 173 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 284 |
鉄筋コンクリート造 | 265 |
鉄骨造 | 256 |
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その03「内装を木質化すると調湿効果・リラックス効果も」
最近は、フローリングだけではなく、天井や壁を板張りにするインテリアデザインが人気です。
温もりのある見た目もさることながら、その高い調湿性が認知されてきているからです。
木は、伐採した直後ですと含水率100〜200%と多くの水分を抱え込んでおり、それを建築材料として使うまでに30%前後まで乾燥させます。
しかし、本来、水の入っていた細胞にある無数の孔はそのまま残るため、そこに空気中の水分(湿気)を抱え込むことができるのです。
乾燥時には、水分を放出する性質も持つため、木材は、天然の優れた調湿材と言えます。
また、木の香り成分によるリラックス効果や、紫外線吸収効果、吸音効果による目・耳への負担軽減も実証されているため、住宅だけではなく多くの公共施設においても、内装の木質化が進んでいます。(参考:林野庁|木材は人にやさしい)
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その04「実は火災時に倒壊しにくい」
火災による死亡原因の大半は「逃げ遅れ」によるもの。
そのため、火災の発生リスクを抑えることだけではなく、いざ火災が起きた際に出来るだけ避難時間を長く確保することも重要です。
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも火災が発生しやすい点は否めません。
しかし、実は火災によって住宅が全倒壊するリスクは極めて低いと言われています。
なぜなら、木材は燃えると周囲が炭化して、芯まで燃え進まず、柱・梁などが倒壊するまでに時間がかかるからです。(参考:国立研究開発法人 森林研究・整備機構|木材の燃焼性および耐火性能に関する研究)
そのため、そもそも燃えにくい鉄筋コンクリート造は別として、熱によって短時間で変形してしまう鉄骨造と比べると、火災時の倒壊リスクは低いと言って良いでしょう。
その05「省エネ・環境にやさしい・SDGsに貢献できる」
建築に多く使われる金属やコンクリートは、建物解体後に再使用・再利用できても、完全に自然へ帰ることはありませんし、資源として再生産することもできません。
一方、木材は廃材をペレット燃料や紙の原料として再使用・再利用できるだけではなく、森林から永続的に生み出すことができる稀な建材です。
また、製造・加工において消費されるエネルギーやCO2排出量が少ないため、優秀なエコマテリアルとして世界中で注目されています。
日本建築学会の公表している資料によると、建築物の用途別・構造別 CO2 排出量は、最も多い「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の事務所」と「木造住宅」では、建設時に排出するCO2量がおよそ3倍も違います。
このように、木造住宅はライフサイクルにおいて省エネで、環境負荷が少なく、サスティナビリティ(持続可能性)が高いということです。
その06「将来的にリノベーションしやすく可変性が高い」
家族構成やライフスタイルの変化に伴い、家も時と共に変化する必要があります。
そこで重要となるのが“可変性”です。
鉄骨造を将来フルスケルトンにしてリノベーションするには、多額な費用がかかるだけではなく、階段の架け替えや吹き抜けの追加など上下階に渡る空間の変更が困難です。
鉄筋コンクリート造ですと、外壁・間仕切り壁そのものが構造体となって荷重を支えているため、窓を追加したり間取り変更することができない可能性は高いでしょう。
また、コンクリートに埋設された設備配管や電気配線を移動することも容易ではありません。
一方、木造住宅は耐震性さえ確保していれば、水回りの移動や間取り変更が比較的しやすく、梁・柱などの主要構造部をいじらなければ、吹き抜けを追加することさえできるのです。
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その07「設計・施工会社の選択肢が多い」
先でも、総住宅戸数における木造住宅の多さについてお話ししましたが、これは施工会社が多いことも表します。
つまり、設計・施工を依頼できる会社の選択肢が多いということです。
お好きなデザインテイストやコンセプトに合う会社を探せるため、気持ちよくマイホーム計画を進められます。
ただし、選択肢が多いということは、会社選びに少々悩んでしまうかもしれないということ。
後悔のない施工会社選びを成功させたい方は、ポイントを押さえなくてはいけません。
設計・施工に携わるスタッフが近隣に住んでいるため、その土地に馴染む住宅を建てられます。
また、住み始めてから何かあっても、すぐに対応できるアフターサービスを徹底しています。
山梨・甲府エリアでマイホーム計画を始めたい方は、お気軽にご相談ください。
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木造住宅のデメリットや注意点は?
木造住宅には、コスト面・環境面・快適面のメリットがありますが、建てる前に知っておくべきデメリットや注意点も。
「木造住宅が多いのだから大丈夫」と考えるのではなく、これらのポイントもしっかりと理解し、後悔のない家づくりを実現させましょう。
その01「湿気に弱い」
木材の最も大きな弱点が「水・湿気に弱い」という点。
含水率が高くなると、腐朽菌が繁殖し、シロアリにとって心地よい環境が整ってしまいます。
木材腐朽菌の発生には、栄養・温度・水分・空気の4つの発生条件がそろう必要があります。逆にひとつでも条件を欠くと、木材腐朽菌は発生しません。
・栄養
「木が腐る」ということは、菌(腐朽菌)が木材の成分を分解して養分とすることです。・温度
木材腐朽菌は、30℃前後が最も発育に適しており、3℃以下の環境では発生しにくくなります。・水分
大気中の湿気が多く木材の含水率が20%以上になると発生しやすくなり、20%を下回ると発生しにくくなります。・空気
腐朽菌は空気がないところでは発生しません。水中に浸かった木材が腐朽しないのはこのためです。(中略)
木材腐朽菌とシロアリの発生条件は共通するところが多いため、シロアリによる被害と木材腐朽菌による被害が同時進行するケースは少なくありません。
そのため、木材腐朽菌が発生しないように対策を行うことはシロアリ被害の予防にもつながります。
(引用:一般財団法人 住宅金融普及協会|住まいの腐朽菌と対策)
そのため、徹底した雨漏り対策や結露対策が必要です。
近年増えている高気密・高断熱においても、壁内の通気が適切に行える構造になっていないと、内部結露が発生し、柱や土台が腐朽したりシロアリ被害を受けたりしてしまいます。
通気層を設け、床下換気システムを採用するなど、屋根外壁の仕様に加え、湿気をこもらせない工夫が欠かせません。
また、湿度の高い土壌を避けるなどの土地選びも肝心です
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その02「継続的なメンテナンスは必須」
他の構造も同様ですが、特に湿気に弱い木造住宅の場合は、防蟻工事や床下換気扇の点検など、定期的なメンテナンスは欠かせません。
ただし、これらのメンテナンスをきちんと行うことで、家の寿命は間違いなく伸びるため、建て替えまでの期間が長くなり、生涯における住宅コストを削減できます。
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その03「施工会社によって品質にバラツキが出る場合も」
木造住宅の構造体は、工場でのプレカット加工が一般的ですが、他の構造と比べると、まだまだ施工スキルによって仕上がりに差が出やすい点は否めません。
そのため、より一層会社選びが重要になるということです。
多くの方は、価格や施工事例で会社を選ぶでしょう。
もちろんそれも肝心ですが、さらに“口コミ”や“お客様アンケート”なども併せて確認してください。
その会社で建てた方の声を聞くことで、実際に家を建てる際のイメージが膨らみます。
また、保証やアフターメンテナンスについての事前チェックも忘れてはいけません。
これから末永く、快適に暮らしていただくため、定期点検をはじめ、あらゆるアフターサービスをご用意。
当社で住まいを建てられた方の感想もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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〈木造住宅に関する気になるQ&A〉耐用年数や耐震性について
インターネットなどで木造住宅について調べてみると、他構造よりも「寿命が短い」や「耐震性が低い」というネガティブなコメントを見かけるかもしれません。
果たして、これらの情報は本当なのでしょうか?
Q.「木造住宅の寿命は他構造より短いって本当?」
A.「法定耐用年数は短いが物理的耐用年数が短い訳ではない」
木造住宅の寿命が短いと思われる所以は、“法定耐用年数”が短いから。
法定耐用年数とは、建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの固定資産に対して、税法上、使用できる期間を指します。
減価償却期間とも言われ、木造住宅は22年で設定されています。
それに対して、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の住宅は47年で設定されているため、「木造住宅の寿命が短い」と思われてしまうのです。(参考:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表)
確かに、一昔前までは木造住宅を短いサイクルで建て替えることも多く、資産価値は低いとされてきました。
しかし、近年は長期優良住宅の認定制度ができるなど、木造住宅においても長寿命化が進んでいます。
国土交通省によると、長期優良認定を受けた住宅においては100年程度の期待耐用年数も想定できるとされています。(参考:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について)
つまり、子・孫の世代まで一軒の住宅を住み継ぐことも決して無理ではないということです。
ですから、「木造住宅=寿命が短い」という訳ではなく、その住宅の性能によって物理的耐用年数は左右されるということです。
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Q.「木造住宅は地震に弱いって本当?」
A.「むしろ荷重が軽いので強い場合もある」
強固なコンクリートや鉄骨で作られている他の構造とくらべ、木造住宅は地震に対してもどこか頼りない印象を受けるかもしれません。
たしかに、鉄骨造は鉄骨のフレームで耐力を維持していますし、鉄筋コンクリート造は壁や床スラブで建物荷重を支えるため、高い耐震性を持ちます。
それと比べて木造住宅が劣るということは全くありません。
むしろ、他構造よりも建物荷重が軽いため、地震に共鳴して起こる揺れが小さくて済みますし、木材のしなることもできる特性によって、揺れによる衝撃を多少受け流すこともできるのです。
地震の多い日本においては、最低必要な耐震力を建築基準法によって厳しく定めているため、それに沿った適切な構造基準さえクリアしていれば、構造種別によって耐震性の差はないと言って間違いありません。
まとめ|メリット・デメリットを知った上で住宅の構造を選びましょう
日本においてスタンダードである木造住宅。
多くの方がなんとなく“木の家”を選んでいるかもしれません。
また、「木造住宅は寿命が短い・地震に弱い」などの表面的な情報を鵜呑みにして、か構造の家を選ぶ方もいるでしょう。
それでは、もしかしたら住み始めてから後悔してしまうかもしれません。
ずっと住めるマイホームを建てたい方は、ぜひ木造住宅のメリット・デメリットの両方を知っておきましょう。
私たち“入沢工務店”は、高性能かつスタイリッシュな木造住宅を数多く手掛けてきた実績があります。
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