最近特に注目を浴びている「平屋」ですが、じっくり間取りを検討せずに後で“失敗した”と感じてしまう方も少なくありません。
では、どのような点を後悔してしまう方が多いのでしょうか?
今回は、平屋を手掛けてきた建築会社だから分かる“失敗しないための間取りポイント”を12個紹介します。
「流行っているから平屋にする」と決断する前に、ぜひこれから紹介しますポイントを踏まえて、あなたのライフスタイルに合っているか確認してください。
●平屋のメリット・デメリットを理解して、あなたの理想に合うかどうかを確かめましょう。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、スタイリッシュで快適な家づくりに励んでいます。
Contents
よくある平屋の間取り“失敗例”とその解決方法
最近増えている「平屋」の家。
住宅関連雑誌やサイトでも取り上げられることが多く、著名な建築家も多く設計しています。
しかし、必ずしも全ての方にとって快適であるとは限りません。
残念ながら、住み始めて後悔してしまう方もいるのです。
そこで、よくある“失敗例”とその解決方法を紹介します。
その01「日当たりが悪く圧迫感がある」
平成30年に総務省が行なった「住宅・土地統計調査」によると、全国の木造住宅(共同住宅含む)670,200棟のうち、一階建て、つまり平屋はたった900棟という結果になっています。
一般的な住宅地においては、周りが二階建て以上である確率の方が断然高いということです。
そのため、隣家との距離によっては、どうしても日当たりが悪く、周りの家が迫っていくるような圧迫感を抱いてしまうかもしれません。
必要な部屋数をある程度把握した上で、建蔽率の上限めいいっぱいではなく、できるだけ土地に余裕がある場所を選びましょう。
「建蔽率(けんぺいりつ)」とは、その土地に建物が建てられる割合のこと。
都市計画法によって、エリアごとに上限が定められています。
都市計画法は、都市内の限られた土地資源を都市の総合的観点から有効に配分し、健康で文化的な都市生活と機能的な都市活動を確保するための法律です。
(引用:国土交通省)
二階建て以上の場合には、生活に必要な床面積を多層に分けられるため、建蔽率の制限に抵触しにくいですが、平屋の場合は必要な空間を建蔽率内に収めるための検討が必要です。
周りの家との距離を保ち、できるだけ日当たりを確保するためには、少しでも敷地に余裕がある方が望ましいでしょう。
その02「風通しが悪くジメジメしている」
日当たり同様に気にしなくてはいけないのが「通風」です。
隣家、もしくは敷地境界線近くに建てられた塀との距離が狭いと、どうしても風通しが悪くなり、地面がジメジメしてしまいます。
長期間湿気のこもった土地に木造住宅を建てると、土台や梁など構造部の含水率が上がり、腐朽やシロアリ被害をもたらしかねません。
また、隣家などから一定の距離を取り、床下換気システムを導入することも重要です。
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その03「建築費用が高い」
平屋は足場代などの仮設費を削減でき、さらに費用のかかる階段造作が必要ないため、建設コストが安いと思われがちですが、実はそうとも限りません。
なぜなら、基礎工事・屋根工事は二階建てよりも面積が広くなり、施工費などがかさむからです。
ただし、上階の荷重がかからない分、耐震性を確保するための壁量を少なくできる可能性もあるため、必ず高くなるとも言い切れません。
また、間取りや仕様によってもコストは大きく変動しますので、必ず建築会社へ事前に相談してみましょう。
しかし、将来足腰が不自由になっても住み続けられるなど、長期に渡り住まいを活用し続けられる点からも、長期的コストパフォーマンスに優れていると考えられます。
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その04「固定資産税が思ったより高い」
敷地に余裕を持ち家を建てるということは、必然的に土地面積は広くなるということです。
住宅の固定資産税額は総床面積によって左右されるため、階数はあまり関係ありませんが、土地は面積が広くなればなるほど、当然ながら税額も高くなってしまいます。
土地を探す際には、購入後にどれほどの税金を毎年納めなくてはいけないのかを知っておくと良いでしょう。
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その05「家族間のプライバシー性が低い」
家族全員が同じフロアで生活するため、どうしてもプライバシー性は低くなってしまいます。
住み始めてから話し声や動作音が聞こえないか気になるという方も少なくありません。
LDKと各個室・トイレが隣り合わせになっていると、音の問題は避けられないでしょう。
物理的な距離を取りつつも、開放的でプライベートなアウトドア空間が生まれます。
どうしても中庭を作ることが難しい場合は、間仕切り壁などを防音仕様にするか、クローゼットを共有空間側に配置して音を緩衝にしてみましょう。
その06「外からの視線が気になる」
二階建ての場合は、前面道路を行き交う人からの視線をある程度避けられますが、平屋の場合はそうもいきません。
開放的な大きな窓を設置すればするほど、外からの視線が気になるというジレンマが生まれてしまうのです。
また、最近では敢えて正面側の窓を少なくするプランも人気です。
「陽の光や自然風を取り入れたいが外部からの視線は遮りたい」という方は、ぜひハイサイドライト(高窓)やトップライト(天窓)を検討してみましょう。
ハイサイドライトは通常よりも高めに設置する側窓で、トップライトは屋根に設置する窓です。
人の視線よりも高い場所に設置するため、外部から室内を覗き込むことはできません。
また、中庭や後ろ庭から十分な採光・通風を確保し、道路側は極端に窓を少なくするプランも人気です。
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その07「防犯面が心配」
令和4年に警視庁が行った調査では、侵入窃盗の被害を受けた一戸建て住宅12,071件のうち、30.7%がガラス破りによるもので、53.5%が窓からの侵入によるというデータが出ています。
採光・通風のための窓を全て1階に設置しなくてはいけない平屋の場合は、全室において防犯に対する備えが欠かせません。
また、ピッキングに備えて、大きな窓の近くに隠れやすい場所を作らないことも重要です。
その08「廊下が多く動線が長い」
平屋の間取りで失敗しがちなのが、各室を廊下で繋げてしまうパターンです。
確かに、生活音などは廊下を挟むことで軽減できますが、全ての空間を一層にまとめなくてはいけない平屋においては、間取りに大きく影響してしまいます。
また、家事をする際も行き来が大変になり、負担が大きくなってしまうかもしれません。
例えば、LDKを中心に各室へアクセスできるようにしたり、トイレ・洗面・浴室を一箇所にまとめて、廊下の面積を最小限に抑える方法があります。
その09「収納スペースが足りない」
敷地の広さによっては、どうしてもシューズインクローゼット、パントリーやファミリークローゼットなどの「+α」となる収納スペースを作りにくい場合もあるでしょう。
せっかくおしゃれで生活感のない暮らしをイメージしても、日用品などを収納しきれずそれがなかなか実現できず後悔してしまう方も少なくありません。
各室にそれぞれ小さな収納スペースを作るより、効率よく物をしまえます。
季節ものなどは小屋裏収納・ロフトなどを活用するのもおすすめです。
収納スペースを一箇所にまとめることで、広いスペースを確保でき、無駄なく物が格納できます。
また、二階建て住宅と異なり、建築基準法による高さ制限や容積率(敷地に対する総床面積の比率)の規定を気にする必要がないため、ロフトや小屋裏を活用して、大きな収納空間として使うのも良いでしょう。
また、床下収納庫を設置すれば、将来床下をメンテナンスする際の点検口・作業口としても利用できるのでおすすめです。
その10「窓から見える景観がイマイチ」
二階建てのように地面から上がった場所より景色を眺めることができない平屋において、窓から見える景色にも配慮が必要です。
せっかく開放的で大きな窓を取り付けても、そこから見える景色が隣家の壁ではイマイチですよね。
平屋の場合は、家の間取り単体で検討するのではなく、窓からどんな景観が見えるのかを意識しなくてはいけません。
どうしても周りの景色が楽しめない環境の場合には、中庭を設けるか、窓の設置高さや形状を考慮して「見たいものだけ見える」工夫を凝らしましょう。
最善策は庭を美しく仕上げることですが、住宅地の中ではそうもいかないケースがほとんど。
その場合は、中庭などを設けてみるのがおすすめです。
また、「地窓(床に近い高さに設置する窓)」を取り入れれば、外部の足元だけが見えるため、造園計画も検討しやすいでしょう。
最近は、縦に細い「スリット窓」も人気です。
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その11「外観が安っぽくなってしまった」
住まいのプランを検討する際、どうしても間取りやインテイリアデザインに着目されがちですが、家の第一印象を決めるのは「外観」。
室内の仕様ばかりを高めて、外観デザインに配慮されなければ、せっかくの新築住宅も台無しになってしまいます。
ご予算を室内外バランスよく充てることが重要です。
お好みのデザインに近い施工実績があるかどうかも、重要なチェックポイントです。
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その12「洗濯を干す場所がない」
二階建て住宅の場合はベランダやテラスを設けて洗濯物を干す場所として活用できますが、平屋ですとそのスペースがない場合もあります。
また、日当たりの具合によって洗濯物を干すのに適した場所が限定されてしまうかもしれません。
また、室内干しにも対応できるよう、室内物干しユニットを設置しておくこともおすすめします。
庭さえあれば洗濯物は干せると思うかもしれませんが、土埃が気になりますし、シーツなど大きな物を干す際に、地面についてしまうかもしれません。
できれば、ウッドデッキなど少し地表から上がった場所へ物干しラックを置けるようにしておきましょう。
室内干しユニットを寝室や洗面室に設置しておけば、干し場所に困りませんし、来客時でも慌てません。
それでも“平屋”が人気な理由は?メリットは?
平屋を“失敗”と感じてしまう方がいる一方で、高い人気を得ているのには確かな理由があります。
それは、住まい手にとってのメリットがいくつもあるからです。
では、それぞれ詳しく見てみましょう。
その01「プランニングによっては効率的な間取りに」
先ほど、「動線が長くなり不便」といった失敗例を紹介しましたが、間取り次第ではコンパクトで効率の良いプランになりえます。
なぜなら、二階建てのような上下階の移動がないからです。
全ての行為がワンフロアで解決するため、家事楽な住まいが実現できます。
その02「バリアフリーに対応しやすい」
平屋は“完璧な”バリアフリーを実現しやすい点も魅力。
二階建ての場合は、いくら段差などに配慮しても、一階のみで生活が成立しなければ、ホームエレベーターなどを取り付けなくてはいけません。
その設置スペースがなければ、快適性を犠牲にせざるを得ないでしょう。
しかし、平屋の場合は無理なくバリアフリーな生活を実現しやすいため、年齢や身体能力の変化にも対応できる“長寿命な住まい”が実現できます。
ご家族間でのプライバシーを確保したい場合には、スキップフロアを取り入れて、気配を感じ取りながらもゾーニング分けできるプランもおすすめです。
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その03「家族の気配を感じやすい」
一階・二階と階が分かれると、どうしてもお互いの気配が感じにくくなってしまいます。
個室にこもれば、一日中ほとんど顔を合わせずに済んでしまうこともあるでしょう。
一方、平屋の場合は家族間の物理的距離が近いため、必然的にコミュニケーションをとりやすくなります。
その04「メンテナンスコストを抑えられる」
二階建て住宅よりも建築面積の広い平屋ですが、実は外壁塗装や屋根工事などのメンテナンス費用を抑えられるかもしれません。
なぜなら、外部工事をする際に必要となる足場の面積が少なくできるからです。
場合によっては、そもそも足場を架ける必要がなく、脚立のみで作業ができる可能性もあります。
そのため、浮いた足場費用を塗料や屋根材のグレードアップに充てることもできるのです。
その05「耐震性・耐風性が高い」
平屋は建物の重心が低いため、揺れにくいとされています。
また、土地1㎡あたりにかかる荷重も少ないため、液状化など地盤沈下などのリスクを軽減できる点もポイントです。
上階の荷重がかからないため、耐力壁の量も二階建てと比べると少なくて済み、広々とした空間を実現しやすいという利点もあります。
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まとめ|平屋を建てる際はメリット・デメリットを知ることが重要
平屋はトレンドということもあり、「建てたい」と思う方も多いでしょう。
しかし、あなたの抱く理想的な住まいになるとは限りません。
また、敷地によっては平屋の魅力を活かしきれないこともあるでしょう。
そのため、まずは建築会社とじっくり相談しながら、平屋に合った土地なのか、ライフスタイルや家族構成と合うかどうかを検討しましょう。
そこでポイントとなるのは、施工実績の多い会社に相談すること。
私たち“入沢工務店”は、高性能かつスタイリッシュな平屋住宅を数多く手掛けてきた実績があります。
今まで培った経験や知識をもとに、居心地がいいだけではなく、プラン・コスト共にお客様のご要望を叶えられる住まいをご提案させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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地元密着で家づくりと向き合ってきた私たちだからこそ、地域特性を踏まえた住まいを実現させられます。
「住む人と、つくる人。そのお互いの顔が見える家づくりの大切さ」を常に意識しながら、お客様の理想を叶えるお手伝いをさせていただいております。
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しかし、地元の方に満足していただける工務店であり続けられるよう、お客様の声に常に耳を傾けています。
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「お客様に寄り添った提案力」…
これこそ私たちの強みです。
安心して長く住み続けられる住宅を実現させるには、これらの力は欠かせません。
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