既に木造住宅にお住まいの方はもちろん、これからマイホームを建てようとしている方にとって、木造住宅に果たしてどのくらい住み続けられるのかは、気になるポイントでしょう。
そこで、今回は木造住宅の寿命について詳しく解説します。
長寿命化するためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
●新築住宅・既存住宅を長持ちさせたい方は、性能についてポイントを押さえて検討することが重要です。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、スタイリッシュで快適な家づくりに励んでいます。
Contents
木造住宅の寿命は22年?30年?そう言われる理由は?
木造住宅の寿命について調べると、「22年」や「30年」という文字が目につくはずです。
それにはきちんとした根拠があります。
まず、「22年」とは“法定耐用年数”です。(参考:国税庁・主な減価償却資産の耐用年数表)
法定耐用年数とは、税法上の減価償却の際に用いられる資産価値を示す基準で、建物や建物附属設備、機械装置、車両などの固定資産を購入した際の支出を、設定期間に渡って分割して経費計上する仕組みです。(参考:国税庁)
ここでポイントなのが、法定耐用年数(税法上の使用可能期間)は、建物の寿命とはイコールではないという点。
そこでキーワードとなるのが「30年」という数字です。
ひと昔前までは、日本における住宅の平均寿命(新築から建替えまでの期間)は、30年程度と言われていました。
これは、日本における住宅の平均利用期間を指します。
国土交通省の調べによると、1998〜2003年の滅失住宅(解体もしくは災害で消滅した住宅)の平均築年数は30年、2013〜2018年でも38.2年という結果が出ています。(参考:国土交通省|長持ち住宅の手引き ・ 住宅の利活用期間と既存住宅の流通)
2022年に現存している住宅のうち、1980年以前に建築された住宅は、既存住宅のうちのたった21.6%に過ぎず、欧米諸国の住宅と比べても短命です。(参考:国土交通省|令和4年度築年代別の住宅ストック総数)
しかし、その理由は日本の建築施工技術が低いからではありません。
度重なる地震や台風などの自然災害を受け続けたことを背景に、古くから“スクラップ・アンド・ビルド”の考えが人々に深く根付いているからです。
つまり、これからの木造住宅には「寿命30年」は当てはまらず、長寿命化の傾向が強くなっているのです。
木造住宅の寿命は“100年時代”に突入
法定耐用年数や従来考えられてきた寿命は、既に最近の新築住宅には全く当てはまりません。
ここで、国土交通省の発表した「木造住宅期待耐用年数」を見てみましょう。
資料の中では、最低期待耐用年数が「30年」、仕様によっては100年を超える寿命も期待できるとされています。
木造住宅はもはや1代で建て替える時代ではなく、2代3代と子供や孫に引き継がれるのが当たり前になりつつあるのです。
しかし、残念ながら日本の不動産市場における査定基準は、あくまでも先ほど紹介した「法定耐用年数」。
そのため、築25年を超えると、資産価値がほぼないと判断される慣習は根強く残っているため、本来の価値が価格に反映されないという問題は否めません。
この現状を変え、中古住宅の価値を価格に反映させるために、国土交通省では住宅の法定耐用年数と期待耐用年数の乖離を少しでも縮めるために、リノベーションやメンテナンスの重要性が市場においても有利であるべきと強く訴えています。
建物の住宅としての価値は、本来、安全性や快適性等の居住するために必要な性能・品質(使用価値)を備えていることにあると解されるのではないか。
また、使用価値を適確に反映する評価がなされるようになれば、適切なメンテナンスやリフォーム等を行うインセンティブが生まれ、リフォーム・中古住宅流通市場の活性化にもつながると考えられる。
以上を踏まえれば、中古住宅の建物評価の改善を図るに当たっては、原価法において建物の使用価値に着目した耐用年数を設定することに一定の合理性が認められるのではないか。
(引用:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について)
このような動きによって、近い将来新築住宅の長寿命化はより一層進み、将来的に転売する際にもお手入れ状況などがきちんと価格に反映される時代が訪れることは想像に難くありません。
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家の寿命を延ばす方法は?ずっと住み続けられるマイホームづくりのポイント
では、これから木造住宅を建てる場合、長寿命な家にするためにはどのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。
また、既存住宅でも寿命を延ばすことはできるのでしょうか。
ここでは、特に重要な5つのポイントを紹介します。
「長期優良住宅」にする
長期優良住宅とは、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた家」を指し、認定条件を満たしていれば、税控除などの優遇を受けられます。
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するために、大きく分けて以下のような措置が講じられている住宅を指します。
①長期に使用するための構造及び設備を有していること
(引用:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会)
②居住環境等への配慮を行っていること
③一定面積以上の住戸面積を有していること
④維持保全の期間、方法を定めていること
⑤自然災害への配慮を行っていること
新築戸建住宅における具体的な条件は、以下の通りです。
「劣化対策」
床下・小屋裏への点検口設置など劣化対策等級(構造躯体等)3かつ構造の種類に応じた基準に則していること
「耐震性能」
免震建物もしくは耐震等級2(二階建て以下の場合は条件次第で等級3)以上の性能を持っていること
「省エネ性能」
断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費等級6以上の性能を持っていること
「維持管理・更新の容易性」
維持管理対策等級(専用配管)3以上の基準に則していること
「居住環境」
地区計画や景観計画、その他条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等との調和へ配慮していること
「住戸面積」
1階の床面積が 40 ㎡以上で、かつ住戸にあたる部分の床面積が75 ㎡以上であること
「維持保全計画」
住宅の構造耐力上主要な部分や雨水浸入を防止する部分 、給水又は排水のための設備に関して、維持保全計画が作成されていること
「災害配慮」
災害発生のリスクが高い地域において、そのリスクの高さに応じて都道府県・市区町村が定めた措置を講じていること
これらの性能を備えた住宅は、元々の耐久性が高いだけではなく、メンテナンスしやすいため、長期に渡り住み続けられる“長寿命な住宅”となります。
気密性能や換気性能にも配慮する
長期優良住宅の要件を満たすだけでも長寿命化は期待できますが、さらに家を長持ちさせ快適な暮らしを実現させるために必要なのが、“気密性能”と“換気性能”です。
気密性を高めて外部の湿気や温度を通さないことで、室温を安定させ結露のリスクを下げられます。
ただし、気密性を高めただけですと、壁内などに湿気がこもって内部結露を招きかねません。
そのため、必ずセットで考えなくてはいけないのが、「換気性能」。
2003年に建築基準法が改正されて以降、戸建住宅においても24時間換気が義務付けられていますが、自然給排口や窓からの自然換気だけではどうしても不十分である恐れがあります。
ですから、給気・排気ともに機械による「第一種換気方式」を採用することを検討しましょう。
真冬・真夏に換気時の熱損失を防ぐことのできる「全熱交換器(熱交換気)システム」を備えるのもおすすめです。(参考:東洋経済|新しい生活様式、冷房と「換気」両立させる方法)
将来的な変化に対応できる間取りにする
住宅性能や設備機器も重要ですが、間取りの可変性(フレキシビリティ)もとても重要です。
家族構成などの変化に伴い、間取り変更を容易にできる仕組みを取り入れておきましょう。
最近は、SI(スケルトン・インフィル)という考え方が主流になりつつあります。
「100年以上持つスケルトン部分(構造体)+ライフスタイルなどの変更に伴いリノベーションするインフィル部分(内装)」を切り分けることにより、世代を超えてずっと住み続けられる住まいが実現できるとされています。
こまめな定期点検・メンテナンスをする
家は“建ててしまえば安心”という訳にはいきません。
高性能の住宅であっても、定期点検やメンテナンスを怠れば、その寿命を全うできないのです。
ですから、施工会社を選ぶ際には、末長く付き合い続けられる会社を選びましょう。
アフターサービスについても事前に確認しておくことことをおすすめします。
実際のその会社で建てた方の感想などを見ると、スタッフの雰囲気や相性が分かるでしょう。
お客様から多くのご感想を頂けているのが、その証です。
会社選びの参考に、ぜひご覧ください。
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既存住宅はリノベーションで性能を見直す
「古い住宅だから」と長持ちさせることを諦めてしまっている方も少なくないでしょう。
諦めるのは早いです。
耐震リノベーションや断熱リノベーションなど、既存住宅の性能を上げる方法はあります。
長期優良住宅化リフォームを検討する方も増えており、長期優良住宅化リフォーム推進事業などの補助金もあるため、それらを利用しない手はありません。
今のお住まいの価値を高めるためにも、ぜひ長寿化リノベーションをご検討ください。
山梨県でご自宅の長寿命化リノベーションをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ|木造住宅の寿命は性能次第で100年を超えることも
今まで、木造住宅は30〜40年で建て替えることが当然と考えられてきましたが、建築構法や建築材料の進化、人々の考え方の変化によって、既存住宅をメンテナンスしながら住み続けることが主流になりつつあります。
耐震性や断熱性、メンテナンス性に配慮した住宅にすれば、「寿命100年超え」も夢ではありません。
木造住宅を建てる際には、間取りやデザインと併せて、ぜひ長寿命化についても検討してください。
既存住宅にお住まいの方でも、リノベーションによって寿命を延ばすことも可能です。
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