大切な家族の一員であるペット。
豊かな人生に欠かせない存在という方も多いでしょう。
しかし、どうしても一般的な間取りやインテリアデザインは、飼い主、つまり人間の都合を優先にしている場合が少なくありません。
そこで、今回は「ペットも飼い主も快適な家」について、間取りやインテリアで工夫できるポイントを紹介します。
これからマイホーム建設を検討する方はもちろん、今のお住まいをペットに優しい家へリノベーションしたい方も、ぜひ参考にしてください。
●ペットの行動を知ってから、間取りの検討や内装選びを始めましょう。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに家づくりに励んでいます。
Contents
ペットも飼い主も快適に暮らすためには工夫が必要
コロナ禍に家での癒しを求めてペットを飼う人が増えましたが、いざ飼ってみると「お世話が大変」「家が汚れる」などの原因で、飼育放棄をしてしまうケースが増え、問題になりました。
その原因は、ライフスタイルに合わなかったことが一番の原因ですが、家がそもそもペットと暮らすのに適していなかったことも一因として考えられます。
一般社団法人 ペットフード協会の調査(2022年)によると、犬の飼育頭数は約7,053千頭、猫の飼育頭数は約8,837千頭と、2013年からほぼ横ばいではあるものの、多くのワンちゃん・猫ちゃんが人間と生活を共にしています。
2012年(平成24年)に動物愛護法改正が行われ、飼い主への「終生飼養の責務」が明記されたことで、殺処分されるペットの数は激減していますが、その代わりアニマルシェルターなどへ返還・譲渡される数は増えています。
「他の人も飼っているからうちでも飼える」と思わずに、ペットと飼い主の両方が共存できる空間を整えられるかを考えなくてはいけません。
特に、住環境に関しては毎日向き合う問題です。
ペット・飼い主のストレスにも影響しますので、「家はペットを飼うのにふさわしいか」改めて確認してみましょう。
新築住宅・既存住宅のリノベーション、どちらの場合も“ペットの目線になって”間取りやインテリアへ工夫を凝らすことで、互いに快適に暮らせる家になります。
【ペットも飼い主も快適な家】間取り・インテリアデザインのポイント
では、具体的にはどのようなポイントを押さえて工夫すればよいのでしょうか。
まずは、ペットの種類問わず重要なポイントを、詳しくみていきましょう。
「室内に居場所を作ってあげる」
ワンちゃんや猫ちゃんをはじめとした多くの哺乳類は、本能的に「縄張り意識」を持っており、一人でない場合は気を張った状態にあります。
それは、敵のいない家の中にいても同様です。
ですから、安心して過ごせる場所、一人になれる場所を作ってあげましょう。
くつろげる場所を作ると、怒られた際の逃げ場にもなるため、しつけをしたい場合もスムーズです。
リビングの一角にベットやラグを置いてあげるだけで、段々とそこを“自分の居場所”として認識し、くつろぎ始めます。
「回遊性のある間取りで運動不足を防ぐ」
室内で飼われているワンちゃん・猫ちゃんにとって、運動不足は避けられない問題です。
ペットの種類や大きさ、年齢によって適切な運動時間は異なるものの、最低でも1日に20分程度は運動させてあげることが望ましいと言われています。
ワンちゃんの場合は外へ散歩に連れ出すこともできますが、梅雨など長期間外出できないこともあるでしょう。
また、猫ちゃんを頻繁に散歩へ連れて行くのが難しいことも多いはず。
間取りを考える際には、廊下に行き止まりを作らないなど、ペットが気ままに室内を歩ける工夫をこらしましょう。
「危ない場所には入れないようにする」
棚の上などにあがる猫ちゃんの場合は、特に家庭内事故を防ぐことが欠かせません。
浴槽に落ちる水難事故や、キッチンでの火傷事故の発生件数は決して少なくないからです。
浴室のドアをペットが押し開けられないように引き戸にしたり、キッチンの加熱器をIHクッキングヒーターなどにするのがおすすめです。
また、危険なものが入っている収納には、チャイルドロックなどをつけておきましょう。
キッチンなどをドアでしきれない場合は、しつけが済むまでの間だけでもゲートをつけておくと安心です。
「汚れ・匂いがつきにくい内装材を選ぶ」
ペットとの暮らしで気になるのが、汚れや匂いです。
飼い主にとって不快なだけではなく、ペットにとっても不衛生なので、汚れ・匂いがつきにくい内装材を選びましょう。
フローリング・壁紙はもちろん、クッションフロアやフロアタイル、腰壁パネルなど、「抗ウイルス性」「抗菌性」「アレルゲン物質抑制」などの性能を持つ材料が多数あります。
これらは“ペット対応商品”として、引っ掻き傷にも強いものが多いため、見た目をきれいに保つ上でも効果的です。
インテリアの質感にこだわりたい方は、必ず現物サンプルを見て選びましょう。
「抜け毛やフケを掃除しやすい間取りに」
ペットとの暮らしで気になるのが、抜け毛やフケです。
喘息やアトピー、アレルギーの発症を招く可能性もあるので、小さいお子さんがいるご家庭はしっかり掃除したいですよね。
抜け毛やフケをくまなく掃除するためには、できるだけ段差がなく、物が置いていない状態がベスト。
ドア下が枠なしで床材が続いていれば、部屋を跨いでの床掃除も簡単です。
家具を移動する必要がなければ、お掃除ロボットを使う際も、くまなく掃除ができます。
「日向ぼっこできる・涼める場所を作る」
多くの動物は、日向ぼっこが大好きです。
ぽかぽかとした場所でくつろいでいるペットを見て、癒される方も多いでしょう。
ワンちゃん・猫ちゃんが日向ぼっこする理由には様々な説がありますが、主に自律神経を整えたり体温調節したりすることが目的と言われています。
そのため、ペットの居場所は、できるだけ日差しの当たる場所へ設けてあげましょう。
ただし、一日中日差しが強い場所でもいけません。
日光皮膚炎(日光過敏症)を引き起こしたり、体温が上がりすぎて熱中症になったりする恐れがあります。
「延長コードなどは極力使わない」
特に猫ちゃんは、紐状のものと遊ぶのが大好きです。
そのため、できるだけ家電などのコードが長くならないようにしましょう。
コンセントを適した場所に設置して、できるだけ延長コードなどが見えないようにするのがポイントです。
他の動物でも、電気コードを噛み切ってしまえば、感電の恐れがあります。
「ペット用品をまとめて収納できる場所を作る」
ペットを飼うということは、ペットトイレやペットフードなどのペット用品をしまう場所が必要です。
匂いやどが気になる場合は、人間のものを収納する場所とは分けるのがポイント。
おすすめが、玄関横のシューズインクローゼットです。
重いペットフードを帰ってそのまましまえます。
「玄関とリビングなどの間に脱走防止ドアをつける」
人が玄関から出入りする際に、ドアから猫ちゃんがスルリと家の外に出てしまう場合もあります。
ワンちゃんの中には、散歩にいけると勘違いして、走り出してしまう子も少なくありません。
脱走が心配な方は、リビングなどと玄関ホールの間にドアをつけておくことをおすすめします。
「自由に出入りできるエリアを作る」
猫ちゃんは、そっけない態度をとってみたり突然甘えてきたりする気ままな動物ですし、ワンちゃんは忠誠心がある反面、自立心が強いという特性を持ちます。
そのため、飼い主や他のペットと適度な距離感がないと、ストレスを感じてしまいます。
ですから、ペット自らの意思で行き来ができるエリアを作ってあげましょう。
「カーペット敷きにする際は慎重に」
爪の伸びるペットを飼う場合は、カーペット選びに注意しなくてはいけません。
爪のひっかりやすいものを選ぶと、爪が剥がれてしまう危険性があります。
ポイントは、ループタイプではなく、カットタイプを選ぶという点。
ディテールまで確認してカーペットやラグを選びましょう。
【ワンちゃんと暮らす家】間取り・インテリアデザインのポイント
ペットの中でも人気の高いワンちゃん特有のポイントもあります。
室内飼いをする場合は、ぜひこれから紹介するポイントを押さえて家のプランニングをしてください。
「ワンちゃんの足腰に負担をかけない床材を選ぶ」
多くの家で木質フローリングを使いますが、通常のタイプでは表面が滑りやすく、ワンちゃんが走ると滑ったり転んだりしてしまいます。
そうすると、怪我をしてしまうだけではなく、足腰へ負担がかかってヘルニアなどの発症を引き起こしかねません。
床材を選ぶ場合は、滑りにくいペット対応のものを選びましょう。
「足洗い場を作る」
散歩から帰る度にワンちゃんの足を拭くのは手間がかかります。
また、ワンちゃんにとってもあまり居心地のいい時間ではないでしょう。
玄関脇やウッドデッキの一角などに、専用の足洗い場を作るのがおすすめです。
ガーデニングの水やりや、アウトドア用品を洗う際などにも活用できます。
「外からリビングなどへ直接アクセスできるようにする」
ペットの散歩から帰ってきた際に、玄関や廊下を通ると、どうしても汚れが気になるという方もいるでしょう。
その場合には、ウッドデッキなどから直接リビングへアクセスできるようにしておくのがおすすめです。
外部に足洗い場を設けない場合は、洗面室などに勝手口を設けるのもよいでしょう。
「トリミング・グルーミングできる場所を作る」
毛が抜ける品種のワンちゃんをお手入れするには、それなりの広さが必要になります。
天気が悪い日でも室内でトリミングやグルーミングができるように、玄関土間を広めにとっておくのがおすすめです。
室内よりも汚れが気になりませんし、お掃除も簡単です。
【猫ちゃんと暮らす家】間取り・インテリアデザインのポイント
猫ちゃんは、ペットの中でも特にアクティブで、家の中を縦横無尽に動き回ります。
そのため、他のペットとは少し異なるポイントがあります。
「キャットウォークや隠れ場所を作る」
猫ちゃんは、広いエリアを見渡せる場所や高い場所が好きな動物です。
また、狭いところに隠れたがる習性も持ちます。
そのため、上下運動ができるキャットタワーやキャットウォーク、狭くて落ち着ける隠れ家を作ってあげましょう。
グルーミングできるスペースがあると、お手入れの際も毛玉が家中に広がりません。
「爪研ぎをしてもいい場所を作る」
猫ちゃんはわんちゃんとは異なり、定期的に爪研ぎをしてあげなくてはいけません。
しかし、飼い主の方には傷が気になるあまり、爪研ぎを禁止する方もいます。
それではストレスになってしまいますし、爪が伸びすぎるとどこかにひっかかって剥がれてしまうかもしれません。
爪研ぎ保護シートや張り替えができる腰壁シートなどを活用し、場所を決めて自由に爪研ぎさせてあげましょう。
「物が落ちにくい収納にする」
猫は、高いところが大好きです。
そのため、収納棚などにのぼって、中のものを落としたり壊したりしてしまいます。
そのようなトラブルを防ぐために、収納は腰高より低いもので統一したり、高い部分は扉付きにしたりすることをおすすめします。
また、猫が登りにくいニッチ棚(壁の一部を凹ました収納棚)も人気です。
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私たち「入沢工務店」は山梨・甲府エリアを中心に注文住宅の設計施工を行っている工務店です。
地元密着で家づくりと向き合ってきた私たちだからこそ、地域特性を踏まえた住まいを実現させられます。
「住む人と、つくる人。そのお互いの顔が見える家づくりの大切さ」を常に意識しながら、お客様の理想を叶えるお手伝いをさせていただいております。
お客様一人一人に寄り添いながら少数精鋭のプロ集団で家づくりに取り組んでいますので、年間に携われる棟数は決して多くはありません。
しかし、地元の方に満足していただける工務店であり続けられるよう、お客様の声に常に耳を傾けています。
「豊かなデザイン力」
「長年培った確かな技術」
「常にトレンドを取り入れる探究心」
「お客様に寄り添った提案力」…
これこそ私たちの強みです。
安心して長く住み続けられる住宅を実現させるには、これらの力は欠かせません。
「地域に根づく家を建てたい」「快適なマイホームにしたい」とお考えの方は、是非一度私たちにご相談ください。
まとめ|ペットの習性を知って間取りに活かしましょう
ペットは私たち人間に癒しをくれる存在ですが、決して“持ち物”ではありません。
人間の都合に合わせるのではなく、ペットと飼い主の双方が快適に暮らせるように工夫することが大切です。
「ペットにとって暮らしやすい家にしたい」という方は、ぜひ“入沢工務店”にご相談を!
常に最新の情報を取り入れ、プラン・コスト共にお客様のご要望を叶えるべき努めています。
今まで培った経験や知識をもとに、居心地の良い住まいをご提案させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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