みなさんは吹き抜けにどんなイメージを持ちますか?
「ゴージャズでおしゃれ」そんな印象を持つ方も多いでしょう。
しかし、残念ながら間取りに取り入れて“失敗”と感じてしまう方は少なくありません。
そこで、今回は「吹き抜け」の特徴や失敗例、その対策から学ぶポイントを紹介します。
新築住宅の間取りを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
●吹き抜けの特性やデメリットを知ることで、失敗と感じないマイホームづくりが実現できます。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに家づくりに励んでいます。
Contents
吹き抜けにはどんなパターンがある?
吹き抜けとは、二階建て以上の建物において、下階の天井・上階の床を設けずに、縦に空間をつなげる構造を指します。
建築基準法上では、床面積には算入されません。
では、間取りにどのように取り入れられるのでしょうか。
【玄関】
LDKなど滞在時間の長い空間を日当たりのいい好条件の場所に置くと、どうしても玄関が狭く暗くなってしまうケースもありますが、そんな間取りにこそ吹き抜けがおすすめです。
閉塞感のある玄関でも縦に空間を広げれば、狭さを感じさせない高級感のある雰囲気になります。
また、2階にいても来客の気配が伝わるため、防犯面で採用する方も少なくありません。
【リビング】
最も多いのが、リビング上を吹き抜けにする間取りです。
2階天井まで通すことで大空間が実現できます。
人は開放的になると自ずとリラックスできると言われているため、くつろぐ場所にぴったりですよね。
また、お子さんの遊び場にもなるロフトを併設したり、吹き抜けに面するように2階のホールを配置したりすれば、上下で家族と時間を共有できるでしょう。
【階段】
最近トレンドなのが、リビングの一角に階段を設置するオープン階段の間取りです。
ひと昔前までは、階段を廊下に面した場所に配置した家が多く、どうしても動線が長くなり、暗く寒い場所という印象を持つ方もいるでしょう。
一方、リビングに階段を併設すれば、その部分が吹き抜けとなります。
また、お子さんが二階の自室に行く際も、必ずリビングを通らなくなるため、家族の関係が密になるという点は魅力的です。
吹き抜けのメリットは?
では、吹き抜けにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
● 窓から陽の光を奥まで取り込める
住宅密集地など隣家が迫っていたり、庭が十分に確保できなかったりすると、どうしても室内の奥まで陽の光を取り入れることが難しいでしょう。
しかし、吹き抜けにハイサイドライト(高窓)や、トップライト(天窓)を取り付ければ、より効率的に室内へ陽の光を取り込めます。
実際に、トップライトは建築基準法で定められた採光面積を計算する時、側窓(壁につけられた通常の窓)の3倍もの大きさの窓として計算できます。(参考:建築基準法施行令・第20条の2)
● 室内が開放的になる
通常の天井がある部屋と比べると、2階天井までの大空間となる吹き抜けのある部屋は開放感が明らかに違います。
特に、狭い部屋の場合は効果が大きく、ゆったりとしたい場所に取り入れるのがおすすめです。
窓が付けられない場所にも、吹き抜けを取り入れると閉塞感を和らげることができます。
● 個性的でおしゃれな空間になる
建売住宅や予算が極端に少ない住宅ですと、施工面での効率を重視して、吹き抜けを作らないケースも少なくありません。
そのため、それらの住宅と差別化を図る意味で吹き抜けを設ける方も多く、その配置場所や隣接する空間によって、個性を表現できます。
家の第一印象にこだわりたい方は、ぜひ吹き抜けを間取りに取り入れてみましょう。
● 上下階で人の気配が伝わる
「一階で家事をしている時に、二階でくつろいでいる家族に話しかけても声が届かない」「子供が部屋にこもってなかなか顔を合わせられない」そんな悩みを持つ方も多いでしょう。
そのような方にも吹き抜けはおすすめです。
上下階の空間がつながるため、レイアウト次第ではお互いに適度な距離感やプライバシーを確保しつつも、気配が伝わってきます。
● ロフトが作れる
お子さんの遊び場や書斎、趣味の部屋など、サブ的な要素の空間として活用しやすいロフトですが、間取りに取り入れるためには吹き抜けの存在が欠かせません。
また、スキップフロアを作りたい場合にも吹き抜けは相性が良いでしょう。
間仕切り壁を設けずに、フロアの高さを変えてゾーニングすることで、視線の通りを妨げつつも、空間を共有できます。
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メリットが多く人気の高い吹き抜けですが、間取りへ取り入れる前に知っておくべき注意点やデメリットがあります。
そこで、ここでは良くある失敗例を踏まえて、対策方法を紹介します。
●なかなか空調できない
吹き抜けを作ると、自ずと空間が大きくまとまるため、どうしてもエアコンなどの空調効率が下がってしまいます。
特に、暖房をつけた場合は暖気がどんどん上に上がってしまうため、なかなか足元が温まりません。
●床暖房で足元をピンポイントに温める。
●家全体の断熱性を高め、温度ムラを軽減する。
まず、リビングなど長時間いる場所に吹き抜けを設ける場合には、シーリングファンが欠かせないと言っても過言ではありません。
室内の空気を混ぜ合わせることで、温度を均一にしたり、夏場には風によって体感温度を下げる効果があります。
足元に床暖房をつけて足元を効率的に温める方法もおすすめです。
ただし、空間全体を床暖房のみで温めるとなると、時間がかかり非効率なので、必ずエアコンなどと併用しましょう。
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●2階の床面積が狭くなる
吹き抜けは二階の一部に床を設けないため、必然的に床面積が小さくなってしまいます。
そのため、狭小住宅では必要な部屋数を確保するとなると、大きな吹き抜けを作ることは難しいでしょう。
●リビング階段を取り入れる。
リビングの大きな吹き抜けも魅力的ですが、2階の床面積を確保したい場合には、何も吹き抜け広さにこだわる必要はありません。
小さい吹き抜けを設けるだけでも効果が得られる場合もありますし、リビング階段なら二階への移動空間と吹き抜けを兼用できます。
大切なのは、家づくりで重視したい優先順位を決めること。
何に重きを置くかによって、吹き抜けの広さや設置場所を検討することが重要です。
●一階の匂いや音が二階まで伝わる
LDKに吹き抜けを設けた場合は、どうしても人の話し声や料理の匂いなどが2階まで漏れ伝わってしまいます。
これは、空間をつなげているため物理的に解決することはできません。
●十分な換気システムを設置する。
吹き抜けから伝わる音や匂いを完全にシャットアウトすることは難しいため、間取りや設備で工夫しなくてはいけません。
例えば、一階で家族がくつろぐ時間と、二階で誰かが休む時間が重なってしまうご家庭は、出来るだけ吹き抜けと居室の距離を離しましょう。
二階のホールも兼ねたファミリールームなどを吹き抜け近くに設置するのがおすすめです。
匂いが気になるという方は、高性能の24時間換気システムを導入してみてください。
24時間換気システムは新築住宅への設置が義務化されているものの、その性能はグレードがあります。
給気・排気共に機械で強制的に行う「第一種換気システム」ですと、気になる匂いもすぐに屋外へ排出されます
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●吹き抜けが小さくてメリットがあまり感じられない
とりあえず小さな吹き抜けを設けてみたものの、そのメリットがあまり感じられないというケースも稀に聞きます。
●吹き抜けの設計実績が豊富な会社へ相談する。
先ほど、「吹き抜けは小さくてもよい」とお話ししましたが、これはあくまで設置場所が適している場合に限ります。
上下階の空間をつなげる”意味”のある場所に設けることが重要なのです。
吹き抜けをうまく活かせるかどうかは、設計者の腕の見せ所!
吹き抜けのあるプランのレパートリーが豊富な会社へ相談しましょう。
●窓を大きくしすぎて室内が丸見え
開放感を重視するあまり、吹き抜け部に大きな窓を取り付けて後悔してしまう方もいます。
お隣との距離が十分り、窓同士が向き合っていなければそれでもいいのですが、「夜に部屋の中が丸見え」というケースは少なくありません。
●吹き抜けにつける窓の位置・大きさを検討する。
●時間帯によって目隠しできるスクリーンなどを設置する。
開放感があるということは、それだけ外からの視線も入りやすいということです。
そのため、隣家との位置関係や距離、窓の場所を確認してから、吹き抜けの場所を決めましょう。
特に、すぐ隣にマンションなどの高い建物がある場合は要注意です。
また、大きな窓をつけなくても開放感や陽の光が得られる窓計画も検討してください。
先ほども紹介したトップライトやハイサイドライトなら、小さな開口部でも大きな効果が得られる場合もあります。
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●直射日光は入って暑い
吹き抜けに窓を設ける場合は、暑さ対策についても考えておかなくてはいけません。
実際に、窓からの日差しでリビングが暑くていられないという声も耳にします。
●窓を設置する方角を検討する。
●暑さが気になる時間帯に日差しを遮れる庇などをつける。
窓からの日差しによる熱が気になるという方は、遮熱ガラスを取り付けましょう。
遮熱機能をもつ代表的なガラス、Low-E複層ガラスは外から来る日射熱はカットしながら、冬季に室内で作られた温かさを室外に逃がさない働きもします。
この役割を担うのが複層ガラスの片面に加工されたLow‐E膜です。Low‐EというのはLow Emissivity(低い放射率)のことで、この膜は塗料やフィルムではなく、ガラスの片面に極めて薄い銀(Ag)を保護膜とともに複数層コーティングする技術です。銀の層が熱をカットしこの層が多くなるほど性能が増します。
引用:AGC
遮熱ガラスは、暑さの原因となる赤外線を跳ね返し、明るさ、つまり可視光線だけを通す性能があります。
そのため、トップライトなど陽の光だけ取り入れたい場所におすすめです。
窓ガラスの仕様だけではなく、取り付ける方角も検討しましょう。
日当たりのいい南面に大きな窓を設ける場合は、熱を逃すために北側にも窓を設けてみてください。
空気の通り道ができて、暑さを効率良く逃すことができます。
●天井の埃汚れが目立つ
吹き抜け部分は足場がない限り天井の埃を落としたりすることはできません。
そのため、どうしても住んでいるうちに埃汚れが気になってくるという方もいます。
●二階のホールなどから掃除できるような位置関係にする。
隅の埃や照明焼けが目立たないように、板張り天井にするのもおすすめです。
フローリングと色味を合わせれば、一気にインテリアデザインがおしゃれにまとまります。
吹き抜け部分の掃除をこまめにしたいという方は、二階からほうきなどで掃除できるようにしておくのもおすすめです。
ただし、その際には落下事故を防ぐための適切な手すりなどを配置しましょう。
●吹き抜けから眺める風景がイマイチ
折角素敵な吹き抜けを作ったのに、そこから見える景色がイマイチだと悲しくなってしまいますよね。
●すり板ガラスなどを取り入れる。
家の間取りを考える際、つい家の中だけに注目しがちですが、窓を設ける場合はそこから見える景色も事前に確認しましょう。
借景とは、日本で古くから伝わる考え方で、遠くの山などの風景を窓で切り取り室内から楽しむことです。
吹き抜け部分に限らず、家の窓計画を考える際には、どのような景色が見たいかもぜひ検討してみてください。
隣家の壁などがどうしても気になるという場合は、適宜“すり板ガラス”を取り入れることもできます。
ただし、採光量は減ってしまうので注意が必要です。
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山梨・甲府エリアでマイホームを建てるなら地元密着の会社へ相談を
私たち「入沢工務店」は山梨・甲府エリアを中心に注文住宅の設計施工を行っている工務店です。
地元密着で家づくりと向き合ってきた私たちだからこそ、地域特性を踏まえた住まいを実現させられます。
「住む人と、つくる人。そのお互いの顔が見える家づくりの大切さ」を常に意識しながら、お客様の理想を叶えるお手伝いをさせていただいております。
お客様一人一人に寄り添いながら少数精鋭のプロ集団で家づくりに取り組んでいますので、年間に携われる棟数は決して多くはありません。
しかし、地元の方に満足していただける工務店であり続けられるよう、お客様の声に常に耳を傾けています。
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まとめ|吹き抜けの特性を知って間取りへ取り入れましょう
吹き抜けは、室内に開放感をプラスできる設えですが、その特徴を知らないで間取りに取り入れてしまうと「失敗」と感じてしまうかもしれません。
後悔のないマイホームづくりを実現させるには、デメリットも十分理解した上で検討することが重要です。
上下階の間取りや窓計画など、総合的に見て吹き抜けのある家をご検討ください。
私たち“入沢工務店”では、常に最新の情報を取り入れ、プラン・コスト共にお客様のご要望を叶えるべき努めています。
今まで培った経験や知識をもとに、居心地の良い住まいをご提案させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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