新築住宅のプランを考える際、どうしても間取りやデザイン、設備機器などに意識が向きがちですが、実は居心地の良い空間づくりには、「窓」が欠かせません。
窓の配置次第でデザイン性が半減してしまったり、暗くて寒い空間になる可能性もあるのです。
そこで、今回はおしゃれな家づくりに欠かせない窓について、配置・大きさの考え方や種類についてお話しします。
これからマイホーム建設を検討する方は、是非参考にしてください。
●開閉できるかどうかや設置場所によって特性が異なりますので、空間に合わせて適したものを選びましょう。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに家づくりに励んでいます。
Contents
窓は“あればいい”訳じゃない!位置や大きさの考え方は?
窓は、私たちの身近にありすぎてあまり意識が向きませんが、実はその空間の良し悪しを決める重要なポイントです。
「あればいい」「大きければ大きいほどいい」と思う方もいるかもしれませんが、そうとも言い切れません。
では、位置や大きさはどのようにして決めれば良いのでしょうか?
ここでは、特に知っておいてほしい4つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
その① 十分な採光が確保できるかどうか
窓の最も重要な役割が「採光」です。
建築基準法では、居室に採光を確保するための窓を必ず設置しなくてはいけないことが定められており、大きさの最低面積も決められています。
住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。
(引用:建築基準法 第28条「居室の採光及び換気」)
簡単にまとめると、住宅の場合は採光できる“有効採光面積”が、部屋床面積の1/7以上でなければいけないということです。
ただし、窓面積=有効採光面積として考えられる訳ではありません。
窓面積 × 採光補正係数 = 有効採光面積
採光補正係数:隣地境界線からの距離や窓を設置する方角などによって光の入りやすさを示す数値
ただし、ここで理解しておかなくてはいけないのが、「法で定められた有効採光面積は、あくまでも最低限である」ということ。
また、日差しの強い方角に位置する部屋では、窓を大きくしすぎると室内温度が上がってしまったり、紫外線が気になったりしてしまいます。
そのため、法に則った有効採光面積を軸に窓の配置や大きさを考えるのではなく、まずは間取りに合わせた快適な採光量をベースにプランニングすることが重要です。
その② 効率良い換気ができるかどうか
建築基準法では、窓を設置する目的として、採光と合わせて重要視されているのが「換気」です。
2003年7月に改正された建築基準法の中では、住宅を含む全ての建築物に24時間換気システムの設置が義務付けられたため、基準を満たした設備を整えれば換気できる窓の面積は定められていません。
しかし、やはり、窓を開け放ち新鮮な空気を入れることで得られる快適さは格別です。
窓から効率良く換気や通風する場合には、一ヶ所ではなく二ヶ所以上の窓を設置することがポイント!
いくら大きな窓を開けても、一ヶ所だけでは空気の流れが生まれにくいのです。
一部屋に二ヶ所以上の窓を設置する場合は、部屋の対角線上に置くとより換気・通風効率が上がります。
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その③ 室内から外の風景を楽しめるかどうか
古くから日本の住宅建築や庭園設計では、「借景」という考え方が重要視されてきました。
借景とは、周辺の景色を“借りて”空間に赴きや開放感をプラスする手法で、室内にいながらも季節を感じられます。
窓を設置する場所や高さ、大きさによって、室内から眺められる景色が異なるため、周辺環境を把握した上で窓計画を検討しなくてはいけません。
例えば、住宅密集地でも、お隣の庭や部屋が視界に入らないように高い位置に窓を設置すれば、室内からも空が見上げられます。
また、リビングのソファに腰掛けた時や、キッチンで立ち仕事をしている時に、素敵な景色が目に入るだけで、開放感が感じられるでしょう。
何気なく日々見ている景色でも、切り取る場所によってその印象は全く違うものになります。
その④ バランスよくおしゃれな外観デザインになるかどうか
窓計画を考える際には、室内からの配置を意識するだけでは不十分です。
窓の大きさや位置は、外観デザインにも影響します。
特に、家の正面(ファサードデザイン)や道に面した場所は重要で、行き交う人の視線が入らないような工夫や、バランスよくおしゃれに見える配置を意識しなくてはいけません。
つまり、部屋や方角によっては「大きければ大きい方がいい」という訳ではないのです。
そのため、設計士は周辺環境との関係性を踏まえ、メリハリのある窓配置を検討します。
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おしゃれな家におすすめの窓の種類は?
では、おしゃれな家にしたい場合には、どのような窓を採用すればよいのでしょうか?
ここでは、以下の項目別に人気の窓を紹介します。
- 開閉できる窓の種類
- 固定されている(開閉できない)窓の種類
- 設置する位置による窓の種類
開閉可能窓
換気を目的とした場合は、窓が開閉できなくてはいけません。
ただし、開閉すると言ってもその方法にはいくつかの種類があります。
操作性や見た目を考慮して、適したものを選びましょう。
【引き違い窓】
最も一般的に取り入れられるタイプで、あなたのご自宅にも一ヶ所は必ずあるはずです。
開閉しやすく、開けたままの状態でも周りの空間に影響しない点がメリットです。
ただし、気密性はそれほど高くはなく、高断熱ガラスなどを入れると操作する際に重さを感じてしまう可能性があります。
またどうしてもガラスの中央に枠(桟)があるため、すっきりと見せたい場所にもあまりおすすめできません。
屋外で出る機能が必要な場所へ設置するのがおすすめです。
【上げ下げ窓】
上下2枚にガラス戸が分かれているタイプで、下を上げ下げすることで窓面積の半分を開閉できます。
最近使われることは減りましたが、欧米では引き違い窓よりもポピュラーなため、洋風なデザインにしたい方から人気です。
ただし、窓の半分しか開け放てないため、換気効率を重視する場合はあまり適していません。
【滑り出し窓】
外側に押し出して開けるタイプで、縦滑り出し窓と横滑り出し窓があり、窓全面を開けられるため、換気能力に優れています。
ただし、開けた状態で雨が降ると、室内側のガラス面が濡れてしまう点は把握しておきましょう。
【内倒し窓・外倒し窓】
ガラス戸の下を軸に、上部が室内もしくは屋外側に倒れるタイプです。
どちらも換気するのに適した窓で、内倒し窓は防犯性に優れています。
外倒し窓は、二階以上の場所に設置するのに適しており、外から室内が見えにくい点がメリットです。
ただし、どちらも開けっ放しにすると室内や屋外で邪魔になる可能性があります。
【ルーバー窓(ジャロジー窓)・オーニング窓】
ルーバー窓(ジャロジー窓)は、細長いガラスが複数連なり、ブラインドのようにハンドルで角度を変えて開閉します。
ガラス周りにフレームがないため、気密性に欠けますが、その分換気能力は高いです。
オーニング窓はルーバー窓と操作方法は似ていますが、ガラスそれぞれにフレームがついているため、ある程度気密性があります。
ただし、どうしてもガラス面積が少なくなるため、外の景色を見るような場所にはおすすめできません。
【フルオープン(全開口)窓】
開放感が最大の魅力であるフルオープンサッシは、引き違い窓のように窓の一部を残さず、ほぼ全面を開け放つことができます。
そのため、リビングとウッドデッキが続いているような空間におすすめです。
ただし、可動する場所が多い分、どうしても気密性は低くなりがちです。
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固定窓(FIX窓)
窓が開閉できず固定されている窓を、FIX窓やはめごろし窓と呼びます。
採光を目的として設置され、単体で使うこともありますが、いくつかの窓を連ねて開閉できるタイプと組み合わせることも可能です。
大きなものから小さいものまでラインナップが豊富なため、空間問わず様々なシチュエーションで取り入れられます。
設置位置別タイプ
窓は、開閉方法だけでなく、設置場所によって名称が異なり、その特性も異なります。
一般的な腰窓や掃き出し窓だけではなく、設置する高さも検討すれば、より快適でおしゃれな空間に仕上がります。
【地窓】
こちらは、地面に近い場所に設ける窓で、外部からの視線を遮ぎつつも開放感が得られます。
また、庭や植栽を眺めるのにも適しており、和室などに取り入れられます。
室内側から見ると上部に広く壁が残るため、採光・換気しつつも壁面収納などに利用できる点も魅力です。
ただし、断熱ガラスでないと足元が冷えやすい点は気をつけましょう。
【高窓(ハイサイドライト)】
壁の高い位置に取り付ける窓で、効率良く陽の光を取り入れられますし、防犯性も高いです。
ただし、どうしても掃除がしにくく、開閉式にすると操作チェーンなどが邪魔になる場合もあります。
しかし、住宅密集地など周りからの視線が気になる場合や隣の建物が近い場合でも、部屋の奥まで採光できるためおすすめです。
【天窓(トップライト)】
通常の壁面につける窓と比べると多くの光を取り入れられます。
建築基準法上でも、天窓は壁面窓と比較すると3倍の採光効果があるとみなされます。
ただし、高窓と同様に掃除がしにくく、設置する場所によっては暑さが気になる場合もありますので、計画に取り入れる際には十分な検討が必要です。
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まとめ|窓を主役に間取りを考えてみるのもおすすめ
窓は、陽の光を室内に届け、新鮮な空気を運んでくれる重要な部分です。
ですから、ぜひ間取りやインテリアデザインを検討する際には、窓の存在も十分意識してみてください。
こだわりのインテリアデザインや外観デザインをより引き立ててくれるはずです。
私たち“入沢工務店”では、常に最新の情報を取り入れ、プラン・コスト共にお客様のご要望を叶えるべき努めています。
窓の配置にこだわった家の事例も多数あり、設計・施工には自信があります!
今まで培った経験や知識をもとに、居心地の良い住まいをご提案させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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