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コラム

住まいの豆知識

付加断熱とは?メリット・デメリットや注意点を徹底解説

突然ですが、皆さんは「付加断熱」という言葉を聞いたことはありますか?

様々なハウスメーカーで高気密高断熱をうたった住宅が増えている中、さらに高い性能を求める人から注目されています。

しかし、まだまだその概要を知らない方も多いはずです。

そこで、今回は「付加断熱」について基礎知識からメリット・デメリットまで詳しく解説します。

マイホーム建設をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。


CHECK POINT!
●付加断熱とは、内断熱と外断熱を掛け合わせた高い断熱性を確保できる工法です。
●高い施工技術と確かな知識が必要となるため、実績のある会社に相談しましょう。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに家づくりに励んでいます。




そもそも家の断熱にはどんな種類があるの?

断熱

「付加断熱」についてお話しする前に、まずは住宅における断熱工法の種類について解説します。

“断熱”と言っても、その工法や使う断熱材によって特徴は異なるため、家を建てる際にはその点についても検討しなくてはいけません。

また、ハウスメーカーによって得意・不得意があったり、考え方もいろいろです。

一般的に戸建住宅で用いられる断熱工法は下の2つです。

  • 充填断熱(内断熱・内張断熱)
  • 外張断熱(外断熱)


充填断熱(内断熱・内張断熱)

充填断熱とは、外壁と内壁の間の空間に断熱材を“充填”する工法で、従来から施工されている最も一般的な方法です。

メリットは、元々施工上発生するスペースを利用するため、室内環境や壁厚に干渉することがない点です。

グラスウールやロックウール、発泡ウレタンだけではなく、自然素材のウール断熱材など、様々な断熱材を使用できます。

引用:JFE ロックファイバー株式会社



ただし、家を丸ごと断熱材で覆うことはできず、柱などで分断されるため、外断熱と比べるとどうしても気密性が劣ってしまう点は否めません。

また、熱橋(ヒートブリッジ)によって断熱材の中通って外部の冷気や熱気が伝わる現象も起こりやすく、壁内結露には気を付ける必要があります。

外張断熱(外断熱)

外断熱は、柱などの構造体の外側に断熱材パネルを張り付ける工法で、家を丸ごと断熱材で覆うため、高い気密性・断熱性を確保できる点が一番のメリットです。

外断熱
引用:JFE ロックファイバー株式会社

外部の熱気・冷気を室内に伝えないだけではなく、室内の空調効率が向上するので、省エネの観点からも高く注目されています。

また、断熱材の外側には、外気とつながる通気層が設けられるため、壁内の湿気を逃すことができ、結露防止、ひいてはカビなどの健康的被害も抑制できます。



付加断熱とは?メリットは?

日本において最も歴史の長い内断熱、それに追随するように急激に増えている外断熱ですが、その上にさらに断熱性能が高い工法として生まれたのが「付加断熱」です。

付加断熱とは、柱間に設置された断熱材(=内断熱)と、外側に施工する断熱材(=外断熱)の両方を組み合わせた工法で、木造住宅においては高い断熱性能を確保できます。


なぜ断熱性が高まるのかというと、その理由は「熱損失」を減らせるから。

熱損失とは、建材を通して熱の影響を受けてしまうことを言い、材料によって熱損失系数が異なります。

木造戸建住宅の場合、熱損失の割合は外壁から30%、窓・ドアなどの開口部から30%、換気口などから30%、その他の部位から10%程度と言われているため、壁の断熱性を高めるかどうかは、室内の居心地や空調効率を大きく左右するのです。



デメリットはある?

電気代

断熱性能が今までの工法と比べても断然に向上するため、寒冷地を始めとして年々実績を増やしている付加断熱住宅ですが、建てる前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。

  • コストが高い
  • 外壁材の種類が限定される
  • 壁厚が厚くなる
  • 複雑な形状の住宅には不向き
  • 高い施工技術や知識が必要



コストが高い

内断熱と比べると、どうしても施工手間がかかり使用する断熱材が増えるため、コストは高くなってしまいます。

ですから、初期投資でかかった費用を電気代削減で回収しようとしても、かなりの年数がかかってしまいます。

ただし、夏の暑さや冬の寒さが大きく軽減できる点からも、体感的なメリットは大きいと感じる方が多いのも事実です。

検討する際には、その点にも留意してください。

外壁材の種類が限定される

付加断熱や外断熱は、外装材と下地の間に断熱層を設けるため、どうしても外壁材を支える下地から距離が離れてしまいます。

そのため、タイルやモルタルなど重量のある外壁の場合には、地震の際にズレが生じたりひび割れの原因となりかねません。

外壁の耐久性を考慮すると、外装材はできるだけ軽いもの金属系サイディングや板張りなどがおすすめです。

壁厚が厚くなる

付加断熱・外断熱は、どうしても壁厚が分厚くなる点は否定できません。

そのため、敷地が狭くゆとりがない場合には、部屋がひと回り狭くなってしまいます。

性能面を重視するあまり、部屋が狭くなっては快適な生活を維持できないため、付加断熱や外断熱を検討する際は、必ず間取りも併せて考えましょう。

複雑な形状の住宅には不向き

壁厚が分厚くなるということは、細かい部分の施工が難しくなるということです。

ですから、複雑な形状の場合には高い技術を持ってしても粗が出やすく、きれいに納めることができません。

デザインに凝ってカーブのある壁や細かい段差のある壁を取り入れる場合には、付加断熱を諦めざるを得ないでしょう。

高い施工技術や知識が必要

付加断熱は、断熱材を高精度で隙間なく張り合わせなくては、ヒートブリッジができて余計結露を引き起こしてしまいます。

また、長いビスで断熱パネルや外装材を止めなくてはならず、慣れた施工会社でないと断熱欠損だけではなく、雨漏りや白蟻などの問題に直結します。

また、付加断熱に適した構造材を使わなかったり、防湿フィルムの施工をしないなどの事例も出ているため、しっかりと施工方法やそのメカニズムを理解した会社に依頼しないと、大きな問題に発展してしまうでしょう。

いくら付加断熱が注目されているからと言って、「どこに頼んでも同じ」といいのは大間違いなのです。

必ず、付加断熱住宅を検討する場合は、その会社の実績についても十分確認しましょう。



付加断熱住宅には高断熱サッシなどを

付加断熱は確かに壁面の断熱性を高められますが、家の快適性を保ち空調性能を向上させるためには、残念ながらそれだけでは不十分です。

家を寒さや暑さから守るためには、高性能の断熱サッシを導入しましょう。

単板ガラスの標準サッシを付加断熱住宅に取り付けてしまうと、断熱性を実感できないだけではなく、窓が熱橋(ヒートブリッジ)となって、結露が集中して発生してしまいます。

これでは、せっかく初期コストをかけて壁面の断熱性を高めた意味がありません。

また、断熱材付きの屋根材を用いたり、換気棟と呼ばれる小屋裏の熱気を逃す仕組みも有効です。

このように、家の断熱性は“壁”だけでは担保できず、開口部や屋根などトータルで考える必要があります。

ですから、流行りのキーワードに惑わされすぎず、家全体のバランスを見て断熱住宅を提案してくれる会社に相談することがポイントです。



まとめ|マイホームづくりの際には“断熱”にもこだわりましょう

マイホームづくりの際に、そのデザインや設備機器にどうしても注目しがちですが、断熱性能こそ家の性能を決める重要なポイントです。

そこで注目されているのが、高い断熱性を確保できる「付加断熱」です。

ただし、正しく性能を発揮するためには、確かな知識と十分な経験が必要なため、どの会社にも安心して任せられるわけではありません。

そこでポイントとなるのが、「設計施工の会社選び」。

実績と最新の知識、デザイン力を兼ね備えた会社を選びましょう。

事前にその会社の保証やアフターサービスについて確認するのもおすすめです。

山梨県で長く付き合うマイホーム建設を検討中の方は、ぜひ一度“入沢工務店”にご相談ください。



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入沢工務店編集部

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