「お客さんに200〜300万円予算をアップしてもらうことは難しくないですよ。
年2回のボーナス払いで5万円出してもらえればいいわけですからね。
それでアップした分の光熱費が削減出来るような
高性能住宅を建てた方がお客さんにとっても絶対に得ですしね。」
先日、とある工務店の社長が、
このようなことをおっしゃっていました。
確かに、光熱費が削減出来るような高性能住宅を建てれば、
家の中の温度差が出来にくく、
夏や冬でも暮らしのストレスを減らし、
ヒートショックによる死亡もなくすことが出来るようにもなります。
もちろん弊社でもそれは心がけ出来るだけご提案をするようにしています。
ゼロエネ住宅が当たり前となりつつある現在、
この性能面を特に強調して打ち出している会社が多々ありますが、
果たしてここだけを改善出来れば、
本当に住みやすい家が出来るのでしょうか?
そして、果たして予算を大幅に上げてまで家にお金をかけることは、
これからの時代正しい選択なのでしょうか?
個人的には、これからの時代は少子高齢化がさらに進むため、
国に頼らず自己責任で自分や家族を守っていかないといけない時代に突入すること、
それから人工知能(AI)の発達により
仕事や収入に制限が出てくる可能性が高くなること、
この2点から、無理をしてまで家にお金をかけ過ぎないことが
非常に大切ではないかと考えています。
もちろん、より質の高い暮らしを実現するためにも、
また、国が定めた指針に従うためにも、
より性能が高い住まいをつくることは必須ですが、
高性能化によってコストアップする分、
逆にコストカットすることも同時に考えることは当然として、
そうした無理のないご提案をしていくことも
私たち住宅会社の責務だと考えます。
そのためにも家の不要な部分の面積はカットする以外にも
土地に対しても、また庭に対しても
不要な部分をカットすることも視野に入れるべきだと考えています。
とはいえ、面積や無駄のカットはそんなに簡単な提案ではありません。
明るさ、風通し、プライバシー、収納力、時短が出来る家事動線、
デザイン性、メンテナンスの容易さ、
といった快適性や暮らしやすさを満たす全ての要素を、
耐震性や省エネ性といった要素とともに、
実現しなければいけないわけですからね。
コストをアップさせることなく、
いい家を建てるためには、
私たち住宅会社の努力やアイデアや工夫はもちろんですが、
それだけじゃなく、つくるご家族の協力も必要不可欠になってきます。
家を持っても豊かで楽しい暮らしをしていくために、
今までの常識や当たり前に捕われず、
また、たとえ親や友達であろうと他人の価値観や意見に左右されず、
本当に自分たちにとって大切なコトがなにかを
考えるようにしていただければ、
きっと違った家づくりが見えるかもしれません。
では