「ご自宅が寒くて居心地が悪い」、「足元が寒くて辛い」そんなお悩みを抱えている方も多いでしょう。
そんな方の多くは「木造住宅だから」と思っている方もいるはずです。
では、なぜ木造住宅=寒いというイメージを持たれるのでしょうか?
今回は、木造住宅が寒い理由とその対策についてお話しします。
今のお住まいの寒さを改善したい方や、寒さを感じない居心地のいい家を建てたいという方は、ぜひ参考にしてください。
●新築・リフォームどちらの場合も、断熱・気密に特化した仕様にすることで、冬の寒さや夏の暑さから室内環境をを守ることができます。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに家づくりに励んでいます。
Contents
“木造=寒い”というイメージを持たれる理由とは?
築年数の古い木造住宅に住んでいると、「ストーブなしではいられない」と感じる方も少なくないでしょう。
一方、鉄筋コンクリート造などのマンションですと、そんなイメージがないという方も多いはず。
そのため、どうしても「木造=寒い」という印象が多くの方に定着してしまっています。
しかし、実は科学的に見ればそうとも言い切れません!
ここでポイントとなるのが、建築材料の“熱伝導率”。
単位は「W/m・K」で表され、値が大きいほど熱が伝わりやすい(熱しやすく冷めやすい)ことを示します。
では、主な建築材料の熱伝導率を見ていきましょう。
上のデータからも分かる通り、木質系建材はその他の材料と比較しても、段違いに“熱を伝えにくい”のです。
「冬寒くなく夏暑くない家」にするには、木造ほど適した住宅はありません。
では、なぜ木材は断熱性のある特性を持っているにも関わらず、“寒い”というイメージを持たれてしまうのでしょうか?
考えられる理由は主に3つあります。
● 気密性が低い
最近は「高気密住宅」というキーワードを耳にすることが増えましたが、一般的になったのはここ最近のこと。
それまでの住宅は気密性を重視せず、むしろ敢えて構造体に隙間を作り、地震力を逃す構法も用いられてきました。
さらに、古い住宅ですと窓サッシや玄関ドアなどの建て付けが悪くなっていることもしばしば。
すると、その部分も隙間となって気密性を下げる原因となってしまうのです。
家の断熱性能や省エネ性能を判断する上でも、気密性は重要なポイントとなります。
● 断熱性が低い・落ちている
気密性と同時に重要なのが、家の断熱性です。
比較的新しい住宅ですと、高い断熱性を持っていますが、古い住宅ですと、そもそも使われている断熱材量が少なかったり、性能が低かったりします。
また、新築時には十分な断熱性があったとしても、経年劣化でその性能が低下している可能性もあるのです。
また、水分を含んで重くなったことでずれ落ちて、隙間ができ、断熱材としての機能を果たさない場合も少なくありません。
このような問題から、最近の新築住宅では湿気を吸い取りにくい硬質ウレタンフォームなどの断熱パネル材を用いるケースが増えています。
家の断熱性が低い、もしくは低下していれば、外気温の影響を受けやすくなってしいまいますし、長時間家を空けた際にも、空調機器を付けてもなかなか温まらない・冷えない状況になりかねません。
● コールドドラフト現象が起こっている
窓などの開口部や外壁などの断熱性能が足りていないと、コールドドラフト現象が起こってしまいます。
これは、冬に外部の冷気が主に窓ガラスから室内に伝わり、足元へと流れていく現象です。
暖房で室内の空気をいくら温めても、コールドドラフトによって生まれた気流によって、上の方に溜まってしまいます。
そのため、吹き抜けやリビング階段のあるような家では、かなり空調効率が悪くなり、いつまで経っても足元が温まりません。
〈関連コラム〉
“省エネ住宅”とは?義務化されるって本当?基準や補助金について解説
“冬暖かく夏涼しい家”にする方法とは?木造住宅の寒さ対策についても
〈人気コラム〉
“スキップフロアはやめたほうがいい”これって本当?メリット・デメリットから設計ポイント・施工事例まで徹底解説
〈山梨県で“自然素材”の家を建てたい方必見〉メリット・デメリットからおすすめ建材まで解説
〈子供に優しい“山梨県”で家を建てよう〉子育てしやすい間取りとは?
冬寒くない家にするためのポイントは?新築・リフォームでできる11の対策方法
では、冬寒くない家にするためには、どのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか?
ここでは、新築・既存住宅それぞれでとれる対策方法を紹介します。
新築① 高気密・高断熱仕様
構造体の隙間を気密テープなどで塞ぎ、壁内・床下・小屋裏に十分な断熱材が敷き詰められた住宅を、「高気密・高断熱住宅」と呼びます。
断熱材で室内を丸ごと包み込むようになっているため、外気温の影響を最小限に抑えられます。
窓や玄関ドアなどの開口部も、断熱性が高いものが採用されているため、熱損失も少なく、室内の空調された温度を長時間キープできる点もメリットです。
新築② 陽の光を取り入れる窓計画
いくら断熱性を高めたからと言って、エアコンなどを全く使わなくて済むという訳ではありません。
そこで最近注目されているのが、「パッシブデザイン(パッシブハウス)」という設計手法です。
家の断熱性を高めた上で、さらに自然の力を借り、室内を快適な環境に保つことを目的としています。
南面に大きな開口部を設けて、冬には日射で室温を温めたり、逆に北側の高い位置に窓をつけ、夏の暑い空気を屋外に逃したりします。
このように、窓の位置やサイズをじっくり検討することで、冬の寒さや夏の暑さを軽減できるのです。
〈関連コラム〉
新築③ 庇計画
夏の高い太陽から放たれる日射を遮つために窓辺に庇を設置することも、室内を暑さから守る上でポイントとなります。
季節や時間帯によって収納できるオーニングや、ウッドデッキに設置するパーゴラも人気です。
新築④ 全熱交換気システムの導入
家の気密性・断熱性を高めると、そのままではどうしても室内の空気が澱んでしまいます。
そこでポイントとなるのが、「24時間換気システム」です。
2003年の建築基準法改正によって、新築住宅へは設置が義務化されていますが、ただ換気システムを導入しただけでは、せっかく空調された室温が給気される外気の影響を受けてしまいます。
空調効率を上げて室温を安定させるためには、「全熱交換気システム」がおすすめ。
全熱交換気とは、室内空気を外部へ排気する際に、熱だけ回収して室内に戻す仕組みです。
一度回収した熱を給気の際に戻して室温に近づけてから室内に送り込むため、冷暖房の負荷が軽減します。
そのため、「給気口から冷たい空気が入って気になる」ということがなくなるのです。
リフォーム① 窓サッシ・玄関ドアの取り替え
冬の暖房や夏の冷房の熱が外部へ流れ出る最も大きな原因は、窓などの開口部にあります。
そのため、お住まいの寒さ・暑さが気になる場合は、まず開口部の断熱性能を見直してみましょう。
アルミよりも熱伝導率の低い樹脂製の窓サッシや、内部に断熱材が入っている断熱ドア、2枚のガラス間に空気層があり高い断熱性を持つ高性能ガラスに取り替えるだけで、窓辺の寒さや暑さが大幅に軽減します。
ただし、部屋の中1ヶ所だけを取り替えてもあまり効果がありません。
部屋にある窓全てを一斉に取り替えることがポイントです。
リフォーム② インナーサッシの取り付け
窓の取り替えをする際には、周囲の壁を壊さなくてはいけません。
そのため、工事期間が長くなり、コストもかかります。
低コスト&短期間で断熱性を高めたい方におすすめなのが、インナーサッシ(内窓)です。
既存窓の内側にもう一つ窓を設置することで、間の空気が断熱層としての役割を果たします。
ただし、こちらも取り替えの時と同様に、部屋にある窓全てへ一斉に設置しないと、取り付けていない窓から熱の出入りが集中し、結露がひどくなる可能性があります。
リフォーム③ 壁・床下・小屋裏の断熱
既存住宅の断熱性を高めるのに最も効果的なのが、“外皮”へ断熱工事をすることです。
外皮とは、屋根・天井・壁・開口部・床・土間床・基礎など室内外の熱的境界となる部分を指します。
先ほど窓のリフォームについてお話ししましたが、それ以外の壁や小屋裏、床下などに断熱材を追加することで、家の断熱性は格段に上がります。
リフォーム④ 日除けの設置
南向きで陽の光が差し込むリビングは気持ちがいいですが、真夏には暑さが気になります。
エアコンでいくら冷そうとしてもなかなか快適な温度にならないとお悩みの方も多いはずです。
その場合は、窓上に先ほども紹介したオーニングをつけたり、リビングにウッドデッキが面している場合は、パーゴラなどの日除けを設置してみましょう。
室内に入り込む日差しを適度に遮ることができ、空調効率も上がります。
〈関連コラム〉
山梨でアウトドアリビングを楽しめる家|ポイントから施工例まで詳しく解説
リフォーム⑤ 換気システムの見直し
新築住宅に設置が義務化されている24時間換気システムですが、現時点では既存住宅はその対象ではありません。
そのため、中にはキッチンや浴室以外に換気扇が付いていないというお宅も多いでしょう。
しかし、家の気密性を高めると、どうしてもアレルゲン物質や匂い、ハウスダストなどが室内にこもってしまいます。
そのため、窓サッシなどの取り替えをする場合は、換気システムも併せて見直してみてください。
その際には、先ほども紹介しました全熱交換気システムを導入しましょう。
〈関連コラム〉
戸建&リフォームに“24時間換気システム”が必要な理由とは?
リフォーム⑥ 外張り断熱
外張り断熱とは、壁内の柱より外側に断熱材を入れる方法で、壁内も室内と近い環境となるため、内部結露のリスクを軽減できます。
外部から壁の仕上げ材を撤去して作業するため、日常生活を送りながらでもリノベーションができる点や、隙間を埋めやすい点がメリットです。
ただし、狭小地では作業がしづらかったり、複雑な形状の住宅ですとうまく施工できなかったりしますので、気になる方はまず専門家へ相談しましょう。
リフォーム⑦ 気流止め
古い住宅の場合は、構造体の間に隙間があり、そこから熱が出入りしてしまいます。
その隙間を埋める作業が気流止めです。
断熱効果を妨げる壁体内の気流を食い止める方法で、床・天井と外壁、間仕切り壁の取り合い部分、その他、壁内や床下、天井裏にある隙間を気密テープや防湿テープなどで塞ぎます。
高い効果がある反面、床・壁・天井を大きく解体しなくてはいけないため、フルリノベーションと併せて行うのがおすすめです。
山梨・甲府エリアでマイホームを建てるなら気候特性を熟知した会社へ相談を
私たち「入沢工務店」は山梨・甲府エリアを中心に注文住宅の設計施工を行っている工務店です。
地元密着で家づくりと向き合ってきた私たちだからこそ、地域特性を踏まえた住まいを実現させられます。
「住む人と、つくる人。そのお互いの顔が見える家づくりの大切さ」を常に意識しながら、お客様の理想を叶えるお手伝いをさせていただいております。
お客様一人一人に寄り添いながら少数精鋭のプロ集団で家づくりに取り組んでいますので、年間に携われる棟数は決して多くはありません。
しかし、地元の方に満足していただける工務店であり続けられるよう、お客様の声に常に耳を傾けています。
「豊かなデザイン力」
「長年培った確かな技術」
「常にトレンドを取り入れる探究心」
「お客様に寄り添った提案力」…
これこそ私たちの強みです。
安心して長く住み続けられる住宅を実現させるには、これらの力は欠かせません。
「地域に根づく家を建てたい」「快適なマイホームにしたい」とお考えの方は、是非一度私たちにご相談ください。
まとめ|木造の特徴を活かして居心地のいい住まいに
木造住宅=寒いというイメージは正しくはありません!
本来、木材は熱を伝えにくい性質があるからです。
ただし、その性質を生かすためには、断熱性や気密性を高めることが必要です。
また、太陽熱を取り入れる・遮るなどの工夫も欠かせません。
外気温に左右されずに居心地の良い室内環境を整えるためには、新築時はもちろん、既存住宅のリノベーションをする際もポイントを押さえましょう。
私たち“入沢工務店”では、常に最新の情報を取り入れ、プラン・コスト共にお客様のご要望を叶えるべき努めています。
今まで培った経験や知識をもとに、居心地の良い住まいをご提案させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
〈おすすめ事例〉
入沢工務店|施工事例|山梨県甲斐市注文住宅|ラシア規格住宅、LDKの吹き抜けで採光を計算
入沢工務店|施工事例|山梨県南アルプス市注文住宅|黒色の金属サイディング施工例
入沢工務店|施工事例|山梨県南アルプス市注文住宅|平屋のおしゃれな間取り施工事例
【こちらもあわせてご覧ください】
下記ページでは、当社で住まいを建てられた方の感想を紹介しています。