最近、健康志向やナチュラル志向の方から注目されているのが「自然素材の家」。
できるだけ化学的な建材を使わずに、天然由来のものを積極的に取り入れた住宅です。
ところが、注目されている割にまだまだその詳細を知らず、「なんとなく良さそう」などという漠然としたイメージを持っている方も少なくありません。
そこで、今回は「自然素材の家」について、メリット・デメリットから、おすすめの建材などについて詳しく解説します。
これから家づくりを始める方は、ぜひ参考にしてください。
●予算に応じて、無理なく適材適所に取り入れることが大切です。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに家づくりに励んでいます。
Contents
「自然素材の家」とは?
「自然素材の家」とは、化学化合物を含んだ材料を極力使用せずに、できるだけ天然由来の建材を使った住宅を指します。
明確な規定はないので、ハウスメーカーや工務店によって使用する建材やボリュームは様々です。
ですから、自然素材をコンセプトに掲げている場合でも、内装材だけに限るのか、構造材や断熱材、接着剤にまでこだわるのかなど、その度合いには段階があります。
つまり逆を返せば、「自然素材の家」だからと言って一切化学物質を含んだ建材を使ってはいけないという訳ではなく、施主の方のご要望や耐久性、コストに応じて、適材適所に自然素材を取り入れればいいということです。
メリット・デメリットは?後悔している人がいるって本当?
年々住宅についても“自然志向”の方が増えており、特に郊外に家を建てたい方ほどその傾向が強いです。
しかし、具体的なメリット・デメリットを理解せずに、“なんとなく”話を進めてしまう方がいらっしゃるのも事実。
では、「自然素材の家」には具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
メリット
エコにつながる
まず、注目すべきなのは“エコである”という点です。
自然素材の代表格である木材は、そのほかの化学化合物を含んだ材料と比べるとその製造過程で使われる化石燃料が少なく、二酸化炭素排出量が少ないことが分かっています。
また、その他漆喰などの自然素材もその多くを日本国内で製造しているため、海外から輸入するのに必要なエネルギーが不要です。
さらに、最終的に解体処分する際にも、化学化合物を含んだ建材は焼却時に有毒ガスの発生リスクが高いのに対して、自然素材ならその心配が少なくてすみます。
ナチュラルで温かみのある雰囲気が出る
自然素材に共通して言えることは、自然な色合いと風合いから醸し出されるナチュラルな雰囲気があるという点です。
人工的でモダンなデザインも素敵ですが、ほっこりと温もりが感じられるインテリアにしたい方には、やはり自然素材がおすすめ。
同じ材料でも、産地や製造過程、施工スタッフによって、違う表情を見せてくれます。
例えば、天然木材から作った板材一つ取ってみても、同じ樹種から作られた材料でも木目や節によって印象は変わりますし、施工時の貼り方によってデザインのアレンジが可能です。
ですから、オリジナリティのあるデザインにしたいという方にも、自然素材をおすすめします。
高級感がある
工場生産された建材は、品質ムラた少なく施工面にも考慮されているため、効率を考えるとメリットは大きいです。
一方で、自然素材は現場の温度や湿度に合わせてフレキシブルに加工・施工しなくてはいけません。
ただし、その分一つ一つに手間ひまがかけられるため、高級感が感じられます。
実際に、自然素材が随所に使われている自社仏閣は、どこか荘厳な雰囲気があるはずです。
経年変化が楽しめて、愛着のある住まいになる
自然素材は紫外線などの影響を受けやすく、素材によってはすぐに変色してしまいます。
しかし、その分“時の流れ”を感じられて、愛着の湧く住まいになるでしょう。
また、自然な変色は家のデザインに“深み”や“味わい”をプラスしてくれます。
お子さんの成長などと合わせて変化していく「自然素材の家」こそ、ずっと住み続けたくなる家になるはずです。
健康被害が出にくい
日本でも1990年代にシックハウス症候群が社会的な問題となりましたが、自然素材の家を建てたい方の中には、これらの健康被害発生リスクを抑えたいという目的の方も少なくありません。
自然由来の建材を使うことは、このシックハウス症候群だけではなく、化学物質過敏症の予防につながります。
ただし、ここで気をつけなくてはいけないのが、自然素材の建材にも「多少は化学物質が含まれている」という点です。
最近は建材、特に内装材の多くがF☆☆☆☆(エフ・フォースター)の認定を受けているため、VOC(揮発性有機化合物)はほぼ含まれていません。
しかしゼロではないので、いくら自然素材で合ったとしても特に敏感な方は必ず成分の詳細を確認しましょう。
また、杉や桧などの木材や漆喰などに対するアレルギー症状を持っている方もいらっしゃるため、「自然素材=健康被害がない」と過大評価しないようにしましょう。
調湿や防臭・脱臭ができるものもある
天然木材や漆喰には空気中の湿度を調節する性能があります。
また、珪藻土やシラス壁は、見えないほど細かい空洞に匂い成分を抱え込むことができるため、防臭・脱臭効果も期待できます。
このように、自然素材には化学化合物と比べても決して劣ることのない優れた性能を持つものも多くあるのです。
補修しやすい
家は住み始めればいくら気をつけていてもキズや汚れは避けられません。
ペットを飼っていたり小さいお子さんがいるご家庭では尚更です。
床や壁にキズや汚れがついた場合にも、自然素材は有利です。
例えば、無垢フローリングなら多少の傷は削って再塗装することで補修できますし、漆喰も補修したい場所だけ塗ることもできます。
ただし、先ほどもお話しした通り、自然素材は変色などの経年変化が現れるため、周りと全く同じように補修することはできません。
しかし、一般的なビニルクロスやフローリングと比べると、再現性は高いと言えるでしょう。
デメリット
コストが高い
無垢材は集成材と比べると希少価値が高く、漆喰なども国内産がほとんどです。
そのため、量産品や輸入材と比べると、どうしても価格が高くなってしまいます。
また、施工にも手間がかかるため、工事費も割高になる可能性があるでしょう。
実際に、安易に自然素材を使いすぎて、予算オーバーになってしまう方も少なくありません。
ですから、後悔しないためには、コストとメリットを比較して、自然素材にどこまでこだわるかをトータル予算に合わせてじっくり検討することが重要です。
施工が大変
施工に手間がかかるだけではなく、その材料の特性を熟知した人でなければ正しく施工できません。
ですから、誰でも扱える訳ではなく、経験を積んだ工務店はハウスメーカーに相談しなくてはいけないのです。
自然素材の家を建てたいという方は、まず会社選びをする際に、十分な施工実績や知識があるかを確認しましょう。
納期がかかる場合がある
自然素材の建材は、物によっては大量生産できないものもあります。
また、美しい木目を持つ天然木材は、とても希少価値が高く、満足のいくものと出会うまで時間がかかってしまうでしょう。
ですから、どうしても全体の工期が長くなる場合も想定しなくてはいけません。
引っ越しまでに期間が限られている場合は、工期に影響しない程度に自然素材を取り入れてください。
変色・変形しやすい
無垢材や漆喰材は、紫外線を受けると変色し、場合によってはひび割れや伸縮などの変形を起こしてしてしまいます。
一方、集成材は反りなどのリスクが軽減され、ビニルクロスも多少壁にひび割れが生じても追従することができます。
そのため、自然素材を取り入れる際には、これら変色は変形も「味わい」としてある程度許容する気持ちを持たなければいけません。
キズや汚れがつきやすい
最新の床材や壁材は、表面にキズや汚れを防止するコーティングが施されていますが、自然素材ではそうもいきません。
ですから、いくら表面にオイル塗装などをしていたとしても、キズや汚れはどうしてもついてしまいます。
ただし、先ほどもお話しした通り、補修できない訳ではありませんので、「付いたら直す」を繰り返し、長く大切に使い続けてみましょう。
均一なデザインにできない場合がある
無垢材など、素材そのものが仕上がりになる材料の場合は、均一した材料が大量に揃わないこともあります。
つまり、板材などが場所によって微妙に風合いが変わる可能性があるということです。
ただし、最近ではそのランダムさが“おしゃれ”と評価されることも多く、敢えて節や木目の多い材料を並べる「ラスティックインテリア」もトレンドになっています。
メンテナンスが大変
無垢フローリング材は、表面を定期的にオイル塗装しなくてはならず、最近増えている「ワックスフリー・メンテナンスフリー」の床材と比べると、どうしてもメンテナンスに手間がかかってしまいます。
しかし一方で、漆喰は汚れさえ気にならなければ何十年もメンテナンスフリーのものもあります。
自然素材の家に長年住み続けるためには、お手入れもイベントとして楽しめて、多少の汚れや変色を受け入れられる心構えが必要だということです。
住宅に取り入れられている“自然素材”
自然素材と言っても、使う場所によってその種類は様々です。
そこで、ここでは「断熱材」「内装材」「床材」「塗装材」「エクステリア材」と5つに分類し、おすすめの建材を紹介します。
断熱材
断熱材は、住宅を長持ちさせて快適な室内環境を保つために欠かせません。
一般的には、グラスウール(ガラスを繊維状にしたもの)やロックウール(岩を繊維状にしたもの)などの無機質繊維系断熱材が使われますが、自然素材にこだわりたい方にぴったりの建材もあります。
それが、「木質繊維系断熱材」です。
断熱性はもちろん、熱緩和・防音・難燃性・調湿機能など“木”特有の性能を兼ね備え、さらに製造時の消費エネルギーが極端に少ない環境配慮型建材として注目されています。
また最近では、炭化コルクや羊毛断熱材などの素材も開発が進んでおり、今後さらなる普及が期待されています。
内装材
内装材は比較的自然素材が導入しやすく、種類も豊富です。
例えば、壁材として使われるのが「漆喰」や「珪藻土」「シラス壁」などの塗り壁材、「板張り材」、「紙クロスや布クロス」、「天然石材」、「珪藻土タイル」などです。
また、日本古来から和室の天井などに使われている網代(あじろ)も立派な自然素材と言えます。
床材
代表的なのが無垢フローリングですが、そのほかコルクタイルや竹フローリング検討する方もいらっしゃいます。
どれも適度に柔らかく吸い付くような踏み心地が実感でき、床暖対応のものもあるため素足でも気持ちよく過ごせます。
塗装材
今までは耐久性の観点から化学物質を含んだ塗料が主流でしたが、小さいお子さんがいても安心して暮らせるように、自然素材にこだわる方も少なくありません。
日本古来から使われている柿渋や、自然オイルのワックス、バターミルクペイント、蜜蝋(ミツロウ)ワックスが代表的です。
その他にも、米ぬかを加工したワックス材もあります。
これらは、ある程度定期的な塗り替え(重ね塗り)が必要ではあるものの、万が一体内に入っても危険ではありませんし、シックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)も含みません。
また、防虫・防腐・抗菌などの性能があるものもあるため、“自然派”の方以外からも注目されています。
エクステリア材
ウッドデッキやフェンスなどは、どうしても雨風や紫外線にさらされ続けるので耐久性が心配です。
天然木材で作る場合には定期的な保護塗装が必要で、少しでも放置すると腐食してしまうことも少なくありません。
それを防ぐために、少し前までまでは木粉と樹脂を混ぜて固めた人工木材が使われてきました。
しかし、近年では熱帯雨林などに生息する節が少なく腐朽しにくいウリンやセランガバツなどのハードウッド系が主流です。
これらは、天然木そのものでありながら、無塗装でも耐久性・耐水性・耐腐朽があり、シロアリの被害も受けません。
また、定期的なメンテナンスをしないでもそれらの性能を維持できるため、とても優れた建材です。
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まとめ|自然素材を取り入れた家でサスティナブルな生活を実現
自然素材の家は、地球環境への負荷を軽減できるだけではなく、“大切にお手入れしながらずっと住み続けられる”サスティナビリティ(持続可能性)も兼ね備えています。
コストも高めでメンテナンスなど少々手間もかかりますが、補修しやすく長持ちするという点も注目すべきメリットです。
また、変色などの経年変化を“楽しめる”ため、インテリアデザインにこだわる方からも注目されています。
味わい深い世界で一つだけの愛着ある住まいにしたい方は、ぜひ自然素材を取り入れてみてください。
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