木造住宅新築を検討している方にとって、「建てた後にどのくらい住み続けられるか」は気になるところでしょう。
また、今お住まいの家をこの先どの程度リノベーションすれば住み続けられるのかを考えている方も多いはずです。
そこで、今回は木造住宅の寿命と長持ちさせるポイントについてお話しします。
新築をご検討中の方も、既存住宅のリノベーションをご検討中の方も、ぜひ今後のライフプランの参考にしてください。
●長期優良化住宅にすることで、住宅の寿命を延ばせます。
●入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに家づくりに励んでいます。
Contents
日本の住宅は短命?“30年”って本当?その理由は?
日本においては戸建住宅の半数以上が木造で、国土交通省の調べによると解体される住宅の平均築年数はたった30年という結果が出ています。(参考:国土交通省|長持ち住宅の手引き)
同調査ではアメリカで平均55年、イギリスに至っては平均77年というデータもあるため、日本の住宅は、世界各国の中でも極端に短命であることが分かります。
ただし、これは決して日本の建築技術が低い訳でも、耐久性が低い訳でもありません。
国土環境や私たちの思考、社会経済情勢などの影響が大きいと言われています。
では、日本の住宅が短命な理由を具体的に紹介します。
理由① 木造率が高い
まず大前提として、“長寿命住宅”で知られているヨーロッパには、築100年を超えるような石造り・レンガ造りの家が数多く含まれています。
ですから、単純に住宅の寿命を比較しても、木造住宅の多い日本とはあまり比較できません。
ただし、寺社仏閣など歴史的建造物の中には築年数が数百年のものもあるのに対して、日本の木造住宅が短期間で解体されていることは事実です。
理由② 災害が多い
世界でも特に地震や台風の被害に遭うことの多い日本では、江戸時代から建物の「スクラップ・アンド・ビルド」を繰り返してきました。
スクラップ・アンド・ビルドと聞くとネガティブなイメージに取られがちですが、災害のたびに建物を解体して建て直すことを繰り返してきた日本にとって、ある意味仕方がないことかもしれません。
ただし、近年は住宅においても耐震・免震技術が進歩したおかげで、今までの「壊れては建て直す」考え方から、「できるだけ被害を最小限に抑える」考え方に変わってきています。
理由③ 高度成長期に新築住宅が急造された
戦後、日本は1955年から1972年頃まで高度成長期と呼ばれる時代を迎えました。
その頃は戦後復興と急激な経済成長が相まって、住宅が急ピッチで建設されたのです。
材料も十分ではなく、とにかく「質より量」が重視されたため、どうしても長寿命な住宅は少なく、現存しているものはごくわずかです。
実際に、平成30年調査時点で築40年を超える1978年以前に建てられてたものは全体の5%にも満たしません。
理由④ これまでの好景気時には新築志向の人が多かった
好景気がある程度続く時には、収入の増加から多くの人が「新築志向」になる傾向があります。
また、既存住宅に住んでいる人も好景気に伴って地価が高騰すれば、建物ごともしくは解体して更地にして売却するケースも多いのです。
実際に、現存する住宅で最も多いのは、バブル期(1986〜1992年)頃のもので、逆に不景気時期は新築需要が減少するため、リーマンショック(2008年)以後に建てられた現存住宅はそれほど多くありません。
このように、景気と新築住宅着工戸数は大きく影響するため、2000年以前の比較的経済が安定した期間はどうしても新築を検討する人が多かったのです。
そのため、既存住宅を手入れして住み続けたいと思う人がそれほど多くなく、「建て替え」が選択されてきました。
理由⑤ ライフスタイルが大きく変化した
木造住宅を建て替える理由は、何も老朽化だけではありません。
どうしても築40年以上の古い住宅では、間取りが生活に合わずに、大規模な改修をしなくては住めないことも一因として考えられます。
近年、核家族化が進んだりリモートワークする人が増えているため、昭和までは当たり前だった間取りが現代の生活にはフィットしなくなってきているのです。
ただし、近年はスケルトンリフォームや耐震補強を含んだ大規模リフォームが注目されており、建て替えではなくリノベーションを選択する人も増えています。
これからは“住宅の長寿命化”がキーワード。メリットは?
近年、経済不安などから新築住宅のマーケットが伸び悩んでいるのに対して、リノベーション需要はじわじわと高まってきています。(参考:国土交通省|令和3年度・住宅経済関連データ)
つまり、多くの人が古い家を建て替える従来のスクラップ・アンド・ビルドの考え方から、手入れをしながら長く住み続ける考え方に変わってきているということです。
では、住宅を“長寿命化”するメリットはどのような点なのでしょうか?
メリット① 住宅コストの負担が減る
同じ住宅に住み続けるには、新築時の「建設コスト」、メンテナンスなどの「維持コスト」、いよいよ寿命を迎えた際の「解体コスト」を総合的に見なければいけません。
特に、建設コストと解体コストについてはその額が大きいため、それを30年に一度支払うのか、60年に一度支払うのかでは、住宅コストに大きく差が出ます。
また、多くの金融機関は住宅ローンの返済期限を最長35年に設定しているため、築30年程度で立て直しては、次の住まいのローンと二重融資になる可能性もあります。
つまり、既存住宅を保つための「維持コスト」はかかるものの、住宅の寿命を少しでも長くできた方が断然“得”ということです。
メリット② 住宅の資産価値が上がる
家をリノベーションしながら長く住み続けることが当たり前の欧米においては、中古住宅の資産価値は新築から大きく下がることはありません。
一方、日本では土地とは異なり住宅は新築翌年からどんどんとその資産価値が下がっていってしまいます。
ですから、住宅ローンを返し終わることには、「ほぼ資産価値がゼロ」となってしまう可能性も決して低くはないのです。
では、何故日本では住宅の資産価値がすぐに下がってしまうのでしょうか?
それはずばり「今までの住宅寿命が短かったから」。
様々な要因で木造住宅が本来の寿命を全うせずに、解体・建て替えされてきたことにより、「住宅=すぐに価値が下がるもの」という考えが通説となってしまったのです。
しかし、今後日本全国の木造住宅が長寿命化することで、他の国と同様に「住宅=資産」という考えが浸透することが期待されています。
メリット③ 環境負荷が軽減されサスティナブルな住宅になる
住宅業界を含む建設関連業界は、他の産業と比べても多くのゴミを排出しています。
また、建材の製造や輸送だけではなく、実際の施工現場では多量のエネルギーを要するため、二酸化炭素排出量も決して少なくありません。
そのため、住宅一戸一戸の寿命を延ばすことで、廃棄物量と二酸化炭素の両方を削減できるのです。
また、近年話題のSDGsにおいても、環境負荷を軽減することは最重要課題として掲げられており、私たちの生活を「持続可能(サスティナブル)にする」ためには、住宅の長寿命化は必達目標と言えるでしょう。
「長寿命住宅=長期優良住宅」という考え方
住宅の長寿命化を考える上で欠かせないキーワードが、「長期優良住宅」です。
これは、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置講じられた優良な住宅」を指し、建築時もしくはリノベーション時に関連行政機関に申請することで認定が受けられます。
戸建住宅の認定条件に含まれる主な性能は以下の4つです。
- 劣化対策(長期間に渡り構造躯体が使用できる)
- 耐震性(大地震が来ても継続利用のための改修ができ、なおかつ被害の最小限に留められる)
- 維持管理・更新の容易性(構造躯体よりも寿命の短い設備配管について、メンテナンスや取り替えがしやすい)
- 省エネルギー性(高性能の断熱性や気密性も持っている)
これらの要素を兼ね備えることで「長期優良化住宅」として認定され、各種補助金や諸税控除、住宅ローンの金利引き下げ対象になります。
ちなみに、既存住宅を改修する際も条件をクリアしていれば認定を受けることができます。
認定を受けることで得られる金銭的メリットも大きいですが、何よりも条件である工事をすることで間違いなく“長寿命”な住宅となります。
ですから、これから新築住宅を建てる方や既存住宅のリノベーションを検討している方は、ぜひ「長期優良化住宅」についても考えてみてください。
〈関連ページ〉
国土交通省|長期優良化住宅のページ
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長寿命かつスタイリッシュな住宅を建てるには、これらの力は欠かせません。
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まとめ|長く住み続けられる価値ある住宅を建てましょう
木造住宅の寿命は今まで30年程度が一般的とされてきました。
しかし、近年のSDGsに向けた取り組みが功を奏して、一般の方でも長寿命住宅を希望する方が増えています。
マイホーム建設は人生の中でもとても大きな節目です。
だからこそ後悔のない家づくりをしなくてはいけません。
私たち入沢工務店が、長年培った確かな技術と豊富な知識で、長く住み続けられる価値ある住宅をご提供します。
長期優良化住宅に興味のある方は、ぜひ一度お問合せください。
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