トレンドの「ファミリークローゼット」は、今や間取りのスタンダードになりつつあります。
注文住宅だけではなく建売住宅にも採用されており、“夢のマイホーム”には欠かせない空間と考えている方も多いでしょう。
ところが、ブログやSNSを見ると、「後悔した・失敗した・いらない」という感想を持つ方もいます。
そこで、今回はSNSやブログから「ファミリークローゼットを後悔した理由」とその対策について詳しく解説します。
「2人・3人・4人家族用のファミリークローゼットはどのくらいの広さが必要?」
「ウォークインクローゼットとの違いは?」
「ファミリークローゼットを後悔しないためには間取りをどうやって考えればいい?」など、多くの方が気になる疑問にもお答えします。
これからマイホームを建てる方やリノベーションしたい方は、ぜひ参考にしてください。
● ファミリークローゼットを後悔・失敗しないためには、よくある後悔理由や欠点とその対策を知っておくことが肝心です。
● 便利なファミリークローゼットにするために、広さ目安や動線を踏まえて、間取りへ取り入れましょう。
● 入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、高性能でスタイリッシュな注文住宅や建築家とのコラボ住宅を数多く手がけています。
Contents
流行のファミリークローゼット|メリット、ウォークインクローゼットとの違い
注文住宅だけではなく建売住宅にも取り入れられている「ファミリークローゼット」は、ご家族全員の洋服などを一室にまとめて収納する空間です。
各室に設けられたクローゼットのように、洗濯し終えた洋服をしまうためにあちこち行く必要がありません。
そのため、“家事楽な家”を建てたい方から絶大な支持を受けています。
ファミリークローゼットが人気な理由は、家事の負担を軽減できるだけではありません。
● 洗濯をしまうのに各室へ行かなくて済み、ランドリールームと併設すれば最短の家事動線にまとまる。(=家事楽)
● 収納スペースを一箇所にまとめることで、各室にクローゼットを作るよりもコンパクトにできる。(=省スペース)
● 出入り口ドアや収納扉の数を減らせるため、コスト削減になる。
● 家族の洋服を一括管理できるため、子供が複数人いる家庭では無駄な買い物を防げる。
ファミリークローゼットと同様に大容量の収納スペースとして間取りに取り入れられるのが「ウォークインクローゼット」ですよね。
間取り図を見るとファミリークローゼットと同じように扱われているケースもありますが、厳密に言うと用途は異なります。
ファミリークローゼットは“家族全員の”洋服をしまうのに対して、ウォークインクローゼットはそうとは限らず、併設される寝室を使う人の洋服だけをしまうための空間として使われるのが通常です。
家族全員の洋服をしまえることファミリークローゼット最大の魅力と言えるでしょう。
ところが、「流行っているから」「なんとなく便利そうだから」と間取りに取り入れて、後悔してしまう方は少なくありません。
【ブログから抜粋】ファミリークローゼットの後悔理由・欠点と対策|間取り・広さ・子供の成長・家事動線・掃除
人気のファミリークローゼットですが、間取りによってはメリットを活かしきれない可能性があります。
また、全てのご家庭にとって便利な空間とは限りません。
マイホームを失敗しないために、ファミリークローゼットを後悔してしまう理由と対策を紹介します。
「他のスペースが狭くなる」
ファミリークローゼットは収納空間をまとめるため、“省スペース”になる点がメリットです。
ところが、そもそも寝室の数が少ない家や狭小住宅では、広い収納を作ることで他のスペースが圧迫されてしまうかもしれません。
また、ファミリークローゼットにしたものの、収納するものがそれほどなく、スペースが無駄になったと感じてしまう方もいます。
“ファミリークローゼットありき”の間取り構成ではなく、その他の空間を確保できるかどうか確認した上で、収納スペースを配置しましょう。
また、しまいたいもののボリュームやサイズを事前に把握しておくことも重要です。
最近人気の「ミニマル生活」を送る方の場合、ファミリークローゼットにそれほど広さは必要ないかもしれません。
〈おすすめコラム〉
収納計画とは?スッキリした家にするための9つのポイント
「広さが足りず収納しきれない」
寝室など他のスペースを確保した上でファミリークローゼットの広さを決めることは重要ですが、せっかく作ったのに収納しきれず片付けにくいというケースも多いようです。
ファミリークローゼットは家族全員の洋服を収納できるスペースがなくては中途半端なスペースになるので注意しましょう。
ファミリークローゼットのメリットを活かすためには、「家族全員の洋服」がしまえることが大前提です。
十分な広さを一箇所に確保できない場合は、よく着る服だけファミリークローゼットにしまって、季節ごとに“衣替え”する方法もあります。
ただし、その場合はあまり着ない洋服をしまっておく場所が別途必要になるため、注意してください。
「収納しにくい・デッドスペースがある」
家族の洋服をしまえるだけのスペースを確保できたとしても、収納しにくかったりデッドスペースがあったりするようでは便利とは言えませんよね。
実際、ファミリークローゼットに市販の引き出し家具を置いて、中途半端なデッドスペースができて勿体無いと感じている方も少なくありません。
ファミリークローゼットのプランを考える際は、広さだけではなく棚やハンガーパイプなどの設えもじっくり検討してください。
その際には、「何を・どこに・どのくらい」しまいたいかをはっきりイメージしておくことが重要です。
収納の仕方をイメージしにくい方は、建材メーカーのショールームで「システム収納」を見てみるのもおすすめです。
(参考例:Panazonic|アイシェルフ、DAIKEN|内部ユニット FiTIO(フィティオ)、LIXIL|システム収納 フレームタイプ)
「子供が大きくなったらいらなくなることも」
ファミリークローゼットを作り後悔する方の中には、お子さんの成長に伴って使わなくなる方は少なくありません。
- 子供が大きくなり思春期になるとファミリークローゼットにしまうのを嫌がる
- 子供が独立して広い収納スペースが無駄になった
- 子供が成長して服が増え、しまいきれなくなった
何十年も住み続ける場所だからこそ、“今”だけではなく将来も見越したプランニングが重要です。
お子さんが「小さい・これから生まれる」というご家庭は、余裕のある広さを確保してください。
逆に、お子さんが「大きい・近い将来独立する可能性がある」というご家庭は、お子さんの洋服をしまわなくなることを想定し、書斎など他の用途でも使えるようにしておくのがおすすめです。
「ほこりが溜まりやすい・掃除しにくい」
洋服をたくさんしまうファミリークローゼットは、どうしてもホコリが溜まりがちです。
ホコリが溜まる原因は、洋服を出し入れすることで繊維クズが出てきてしまうからです。
目一杯にものを収納してしまうと、溜まったホコリを掃除しにくくなってしまうので気をつけましょう。
ファミリークローゼットのホコリを完全に防ぐことはできないため、掃除しやすい工夫をしておきましょう。
収納を床置きにせず、浮かす方法がおすすめです。
洋服を出来るだけハンガーがけにして、下着などの細かいものは、壁付け(フロートタイプ)の収納引き出しへしまいましょう。
それだけで、溜まったホコリに気が付きやすく、掃除しやすい収納になります。
「湿気がこもる」
梅雨など湿度が高い季節に、ファミリークローゼットの湿気が気になるという方もいます。
最近は、ファミリークローゼットに室内物干しを設置して、洗濯物を干す方もいるため、湿度管理はとても重要です。
室内干しをしなくても、生乾きの服や汗の染み込んだ服をしまうと、ファミリークローゼットの湿度は上がってしまいます。
カビは「温度20℃以上かつ湿度70%以上で栄養源となるホコリが溜まっている環境」を好むため、湿気がこもると、大切な洋服やカバンなどにカビが生え、嫌な臭いが発生してしまうかもしれません。
物を多くしまうファミリークローゼットは、特に換気が重要です。
そのため、自動的に換気される「24時間換気」を導入しましょう。
壁などに設置する自然給排気口では外部の湿気を取り込んでしまうため、ファンによる機械換気がおすすめです。
壁に調湿建材を取り入れるケースも増えています。
「家事動線が長くなった」
家事が楽になるはずのファミリークローゼットですが、間取りによっては負担が増える可能性があります。
例えば、ファミリークローゼットからの洗濯機を置く場所や洗濯物を干すバルコニーなどとの距離が遠く動線が長いと、重い洗濯物を運ぶのが大変になります。
ファミリークローゼットは「あるだけで家事が楽になる」訳ではありません。
洗濯にかかわる動線を出来るだけ短くして、洗濯かごなど大きな物を持っていても出入りしやすい場所に配置しましょう。
通り抜けできるウォークスルータイプにすると、複数から出入りができ、家事動線をさらに短くできます。
「時間帯によっては混み合って不便」
朝の支度をする時間帯やお風呂上りの時間帯など、家族全員がファミリークローゼットに出入りする場合、混み合って不便さを感じる方もいます。
ファミリークローゼットを後悔しないためには、収納広さだけではなく、人が出入りすることも想定した間取りにしましょう。
家族が同じ時間に支度する場合は、回遊性のあるウォークスルータイプがおすすめです。
二方向以上からアクセスできるため、混雑を緩和できます。
ただし、ウォークスルータイプの方が広いスペースを必要とするため、間取り全体のバランスを検討することが重要です。
【FAQ】家族人数に合う広さ、間取りのコツ、ウォークイン・ウォークスルー、リノベーション
共働きの家庭の増加に伴い、“家事楽”を家のメインコンセプトに掲げるケースが増えており、ファミリークローゼットの人気は高まっています。
しかし、いざマイホームの間取りへファミリークローゼットを採用する際、気になる点がいくつか浮かぶはずです。
そこで、ここでは多くの方からご質問いただく点にお答えします。
Q.「2人・3人・4人家族で必要な広さは?」
A.「便利なファミリークローゼットの広さはご家庭によって異なりますが、広さ目安はあります。」
ファミリークローゼットの広さは荷物の量やお子さんの年齢によっても異なりますが、まずは以下の面積を目安にしてみましょう。
(家族の人数) | (面積の目安) | (収納できる洋服の数) |
---|---|---|
2人家族 | 2畳 | 150~200着 |
3人家族 | 2〜2.5畳 | 200~250着 |
4人家族 | 3〜3.5畳 | 250~300着 |
5人家族 | 3.5〜4畳 | 300〜350着 |
「ファミリークローゼットをどのくらいの広さにすればいいか分からない」という方は、まず「1人=1畳」でスペース配分してみましょう。
ただし、これらの広さはあくまでも目安なので注意してください。
タオルやアウトドア用品など、洋服以外のものもしまいたいのかによって、適切な広さや棚の数は変わります。
また、近い将来、家族構成が変わる場合は、それを見越した広さにしておくことも重要です。
Q.「ウォークスルー・ウォークインどちらがいい?」
A.「空間を無駄なく使いたいなら“ウォークインタイプ”、回遊性を重視するなら“ウォークスルータイプ”がおすすめです。」
ファミリークローゼットのタイプは大きく2種類に分けられます。
- 出入り口が1箇所で奥が行き止まりの「ウォークインタイプ」
- 出入り口が2箇所以上あって通り抜けできる「ウォークスルータイプ」
それぞれメリット・デメリットが異なるので、ご要望に合わせて適したタイプを選んでください。
【ウォークインタイプ】
メリット | ・出入り口の付いている壁面以外は全て収納として使える。 ・廊下や部屋の突き当たりに配置できるため、空間に無駄がない。 |
デメリット | ・1方向からしか出入りできない。 |
【ウォークスルータイプ】
メリット | ・2方向から出入りできるため、混雑解消や動線短縮に効果的。 |
デメリット | ・出入り口が増えるため、壁面収納面積が減る。 ・2方向にアクセスするための通路が必要。 |
Q.「リノベーションで後付けできる?」
A.「スペースがあれば後付けできますが、ウォークスルータイプにするには大掛かりな間取り変更が必要かもしれません。」
ファミリークローゼットはスペースさえ確保できれば、リノベーションで後付けできます。
ただし、通り抜けられるウォークスルータイプの場合は、2方向以上にアクセスするための通路がいるので、既存の部屋を転用できないケースが多く、周囲を含めた大掛かりなリノベーションをする必要があるケースがほとんどです。
Q.「後悔しないファミリークローゼットにするコツは?」
A.「ファミリークローゼットを後悔しないためには、5つのポイントへ特に着目してください。」
ファミリークローゼットを後悔しないためには、まず以下の5点についてじっくり考えてみましょう。
- 「どのくらい」の物を収納したいのか(ボリューム・サイズ)
- 「どこに」収納したいのか(動線内のどこに配置すべきか)
- 「いつ」出し入れするのか(生活ルーティーン)
- 「誰の」物を収納したいのか(家族構成やライフスタイルの変化)
- 「不要になったら」どのような空間に変えたいか(将来の生活に合わせた可変性)
間取りを考える時にこの5点に関する考えやイメージをまとめておくと、後悔のないファミリークローゼットを実現できるはずです。
過去コラムでは、ファミリークローゼット以外の収納空間についても詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
パントリーのある間取りを失敗しない“10”のコツ|広さ・換気・通路幅・収納
ランドリールームっている?いらない?後悔しないためのポイントを詳しく解説
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まとめ|ファミリークローゼットを後悔しないためには事前に対策方法を知ることが重要
ファミリークローゼットを後悔しないためには、後悔してしまうかもしれないポイントと、それに対する解決方法を知っておくことが肝心です。
また、「どこに・どれくらい・いつまで・誰が」物をしまうのかをシミュレーションしておくことで、より使いやすいファミリークローゼットが実現します。
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