一昔前までは戸建住宅にベランダ・バルコニーがあるのが当たり前でしたが、最近、都市部を中心に「ベランダのない家」が増えています。
しかし、「住み始めてから困ることがあるのでは?」と心配な方も多いでしょう。
そこで、今回は「ベランダ・バルコニーのない家」について、メリット・デメリットや、その他多くの方が気になる疑問についてお話しします。
入沢工務店がこれまで手がけたおしゃれな事例の外観写真を交えて紹介しますので、これからマイホーム計画を始める方はぜひ参考にしてください。
● 近年、生活スタイルや住まいに求める条件が変化したことによって、ベランダやバルコニーのない家が増えています。
● ベランダやバルコニーが「いる」か「いらない」かを十分検討することが大切です。
● 入沢工務店は、山梨にオフィスを構え“地元密着”をコンセプトに、高性能でスタイリッシュな注文住宅や建築家とのコラボ住宅を数多く手がけています。
Contents
ベランダ・バルコニーのない家が増えている理由
ベランダ(2階以上の屋根付き屋外スペース)、バルコニー(2階以上の屋根無し屋外スペース)を設けない戸建住宅が増えています。
これまでは「あるのが当たり前だからとりあえず作る」という方も少なくありませんでしたが、その考え方が近年変わってきているのです。
ベランダ・バルコニーのある家が減っている理由は、主に4点です。
【敷地が狭く十分な広さを確保できない】
ベランダやバルコニーは一定の広さまでは建築面積に含まれません。
しかし、建築基準法で定められている隣地斜線制限・道路斜線制限・北側斜線制限(建築基準法第56条)の影響を受けるため、敷地の広さによってはベランダが狭くなってしまうケースもあるのです。
- 道路斜線制限:道路などに係る日照・採光・通風等を確保するための決まりで、建築物の各部分は決められた斜線以内におさめなくてはいけない
- 隣地斜線制限:隣接する敷地に係る日照・採光・通風等を確保するための決まりで、建築物の各部分は決められた斜線以内におさめなくてはいけない
- 北側斜線制限:北側敷地に係る日照・採光・通風等を確保するための決まりで、建築物の各部分は決められた斜線以内におさめなくてはいけない
「狭いベランダしか作れないならいらない」という方も少なくありません。
【建築費用がかかる】
ベランダやバルコニーを作ると、建築費用がプラスされます。
奥行き1m程度・幅2m程度のベランダを作るのに、「50〜80万円/カ所」ほどの費用がかかるのです。
「ベランダに費用をかけるなら他に充てたい」という方が増えているのも、ベランダ・バルコニーのない家が増えている一因と言えるでしょう。
【メンテナンスが必要】
ベランダやバルコニーの仕様によっては、定期的なメンテナンスが欠かせません。
そのため、その手間とコストを省くためにベランダ・バルコニーのない家を選ぶ方も多いです。
【そもそも使わない】
洗濯物を全て室内に干す方が増えており、そもそもベランダ・バルコニーを使わない方も少なくありません。
実際、洗濯乾燥機が日本よりも普及している欧米においては、昔からベランダ・バルコニーのない家が主流です。
また、1階にあるリビングに面してウッドデッキやアウトドアリビングを設ける事例が増えていることから、2階には屋外スペースが必要ないと考える方もいます。
「ベランダ・バルコニーのない家」メリットとデメリット
ベランダ・バルコニーのない家にはメリットとデメリットの両方があります。
家のプランを検討する際は、長所と短所の両方を把握して、ご自身の生活に必要かどうかを検討してください。
メリット
- 洗濯干し場として活用できる
- 子供の遊び場として利用できる
- 2階部屋の開放感が増す
- 庭スペースがなくても家庭菜園(ベランダ菜園)が楽しめる
- プライベートなアウトドア空間を楽しめる
ベランダ・バルコニーには、2階の部屋に屋外空間をプラスできるため、いろいろな用途で利用できます。
ただし、これらのメリットは、あくまでも「日当たりがよく、必要なスペースを確保できていること」が条件です。
逆に言えば、日当たりが悪く狭いベランダ・バルコニーは、作ってもあまりメリットが得られない可能性があるということです。
デメリット
- 排水口が詰まって排水不良を起こすと、雨漏りにつながる
- 防水層が劣化すると、雨漏りにつながる
- 外壁との取り合い(コーキング)部分が劣化すると、雨漏りにつながる
- プランによってはコストパフォーマンスが低い
ベランダ・バルコニーの最も気をつけなくてはいけない点は、「雨漏りのリスク」です。
ほこりや落ち葉が排水口に詰まり雨水がうまく流れ落ちなければ、床面に水が溜まって、防水層を痛めたり、窓下から外壁内へ水が侵入する可能性があります。
また、床面防水層の性能が経年劣化によって落ちたり、キズがついて破断したりすれば、そこから雨漏りするリスクは決して低くありません。
外壁とベランダ手すりが接合している部分のコーキングも、紫外線によってその弾力を失い、隙間ができることも避けられないでしょう。
そのため、ベランダ・バルコニーを作れば、定期的なメンテナンスは避けられません。
建築コストとメンテナンスコストを考えると、そこまでコスパを期待できない可能性もあります。
ベランダやバルコニーを作るかどうか迷った場合は、メリットとデメリットの両方を知り、設置にかかるコストも踏まえて、間取りに取り入れるかどうか検討しましょう。
建築会社へ生活スタイルを伝えて、アドバイスをもらうのもおすすめです。
【後悔しない家づくり】ベランダ・バルコニーが“いる”場合と“いらない“場合
ベランダ・バルコニーには、メリットとデメリットの両方があり、生活スタイルや間取り、敷地条件によって、おすすめするケースとそうでないケースに分かれます。
ご自身がどちらに多く当てはまるのかチェックしてみましょう。
ベランダ・バルコニーが「いる」場合
- 敷地にゆとりがあり、活用しやすい広さを確保できる
- 2階にランドリールームがあり、スムーズに洗濯物を運べる
- ラグや布団などの大きなものを定期的に天日干ししたい
- 庭スペースを確保できないが、アウトドア空間が欲しい
- 2階に開放的なリビングを作りたい
- 道路や隣地からの視線を気にせずくつろげるアウトドア空間が欲しい
- 日中も家にいる時間が長く、日光浴を楽しみたい
- 個室(寝室)に面した“自分だけ”のアウトドア空間が欲しい
ベランダ・バルコニーが「いらない」場合
- 敷地にゆとりがあり、庭スペースやウッドデッキなどを作るスペースを確保できる
- 敷地にゆとりがなく、狭いベランダやバルコニーしか作れない
- 日中は主に1階に滞在していて、2階は寝るための空間である
- 日中はほとんど外出していて家にいない
- 1階にランドリールームがあり、2階に洗濯物を運ぶのが大変
- 洗濯物は基本的に室内干し
- 外観をすっきりさせて、メンテナンスコストを最小限に抑えたい
- 隣家との距離が近くて、2階でも外部からの視線が気になる
ベランダ・バルコニーのない家に関する気になる疑問|室内干し・布団干し・ルーフバルコニー・ランドリールーム
「ベランダやバルコニーのない家での暮らしがイメージできない」「実際に住んでみて不便しないか心配」という方のために、ベランダ・バルコニーのない家に関して、多くの方が気になる疑問にお答えします。
Q.「洗濯物を室内干しする際の注意点は?」
ベランダやバルコニーがないと、洗濯物を室内干しすることになるでしょう。
しかし、今まで天日干ししてきた方の中には「臭いが気になるのでは」と心配な方もいるはずです。
洗濯物を室内干しする場合は、個室などの締め切った場所や換気が不十分な場所は避けましょう。
乾くまで時間がかかればかかるほど、雑菌やダニ、カビが発生しやすくなります。
室内干しをする場合は、換気設備が整っているランドリールームや、風通しの良いオープンスペースがおすすめです。
最近は、室内干しするスペースに、壁付けの乾燥除湿機を設置する事例も増えています。(例:ダイキン|カライエ)
Q.「ベランダのない家はランドリールームかサンルームが必要って本当?」
ランドリールームは、洗濯機置き場と室内干しのスペースを兼ねた専用の部屋です。
たしかに、ベランダやバルコニーのない場合は、洗濯乾燥機を置くケースが多いため、ランドリールームはおすすめです。
ただし、スペースが取れない場合は、ファミリークローゼットの一角に洗濯機を置く事例もあります。
一方、サンルームは温室のようにクリアパネルに囲まれた半屋外空間です。
冬でも太陽熱を溜めやすいため、室内干しするには絶好の場所と言えるでしょう。
ただし、夏には高温となり、それに面した部屋まで熱が伝わってしまうため、省エネの観点からはあまりおすすめできません。
Q.「ベランダがないと布団など大きいものはどこに干せばいい?」
「ベランダのない家にすると、布団が干せない」と心配な方も少なくないでしょう。
ところが、ベランダがあっても布団を天日干ししない方が増えています。
ほこりや花粉、PM2.5などの付着を気にする方が多いからです。
布団の湿気をとる場合は、家庭用布団乾燥機やコインランドリーの乾燥機を利用すれば、天日干しと同じように気持ちよい布団で眠れます。
叩いてホコリを落としたい方は、庭や駐車場で十分かもしれません。
ベランダを布団干しスペースとして作る場合は、「どのくらいの頻度で干すのか」「費用対効果は十分か」を確認しましょう。
Q.「ベランダの代わりにルーフバルコニーや屋上を作るかどうか迷っているがデメリットは?」
木造住宅でもルーフバルコニーや屋上を備えた家が増えています。
メリットは、ズバリ抜群の日当たりと高いプライバシー性です。
ただし、以下のデメリットがあるため、間取りに採用する場合はじっくり検討してください。
- 建設費用が割高になりがち
- 防水メンテナンスを怠ると雨漏りにつながりやすい
- ルーフバルコニー下や屋上下の部屋が暑くなりがち
- 活用方法をイメージせずとりあえず作ると、使わなくなりがち
- 周辺建物からの視線をチェックしないと、せっかく作ってもプライベートな時間を楽しめない
- 近所への配慮が足りないと騒音トラブルになる可能性がある
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Q.「ベランダ以外の視線が気にならないアウトドア空間は?」
南道路の敷地などは、ウッドデッキを作っても外部からの視線が気になりくつろげないケースもあります。
そこでおすすめなのが、中庭を取り入れた間取りです。
周囲を部屋で囲まれたアウトドア空間は、人目を気にせずリラックスできる最高の空間になります。
最近は、道路に面した外壁にはほとんど窓を設けず、中庭を設けてそちらから採光するプランも人気です。
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Q.「ベランダがないと安っぽく見えない?」
ベランダのある家が当たり前だった時代の家に親しみを感じる方の中には、「ベランダがないと安っぽく見えないか心配」という方もいます。
外壁材のデザインや建物形状によって“安っぽく見える”心配はありません。
むしろ、近年はシンプルモダンな外観デザインがトレンドで、凹凸の少ないキューブ型住宅の人気が高まっています。
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山梨・甲府エリアで「ベランダのない家」を建てたい方は入沢工務店へご相談を
私たち“入沢工務店”の施工エリアは、「甲府市・山梨市・韮崎市・南アルプス市・甲斐市・笛吹市・甲州市・中央市・昭和町」です。
地元密着で家づくりと向き合ってきた私たちだからこそ、地域特性を踏まえた住まいをお手伝いできます。
「住む人とつくる人、そのお互いの顔が見える家づくりの大切さ」
この理念を常に意識して、お客様一人一人に寄り添いながら少数精鋭のプロ集団で家づくりに取り組んでいますので、年間に携われる棟数は決して多くはありません。
しかし、地元の方に満足していただける工務店であり続けられるよう、お客様の声に常に耳を傾けています。
「豊かなデザイン力」
「長年培った確かな技術」
「常にトレンドを取り入れる探究心」
「お客様に寄り添った提案力」
これこそ私たちの強みです。
「地域に根づく家を建てたい」「快適なマイホームにしたい」とお考えの方は、是非一度私たちにご相談ください。
まとめ|ベランダのあり・なしはライフスタイルを踏まえて検討を
ベランダやバルコニーのない家が増えていますが、その必要性は生活スタイルや住まいへ求める条件によって異なります。
メリット・デメリットの両方を知り、ベランダやバルコニーを作るかどうかをじっくり検討することが大切です。
私たち入沢工務店は、“地元密着”をコンセプトに、山梨県甲府市周辺でリーズナブルな価格で高性能かつスタイリッシュな注文住宅を数多く手掛けてきました。
お客様を一生お付き合いを続ける家族だと思い、その家族が心から幸せになる家づくりを理念としています。
セミカスタマイズできる規格住宅から、完全自由設計の注文住宅、建築家とのコラボ住宅を多数手がけていますので、山梨県で家づくりを始めたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。